4月1日金曜夜10時、第98回のゲストは、ジャーナリストの西谷格さんです。
2009年から上海に住んだ西谷さんは、中国の寿司屋や反日映画の現場、婚活パーティーなどに潜入し、リアルな中国人の姿をレポートされてきました。
その西谷さんが、ある中国の〝発禁本〟を入手、読んでみた。
香港「銅鑼湾書店」の関係者5人が昨年、行方不明になり、中国当局に拘束された事件にかかわる書です。
西谷さんによれば、
〈香港では中国共産党幹部の過激なゴシップ本が秘かに人気を集めており、発禁本を取り扱う書店はほかにもある。なぜこの書店だけが狙い撃ちされたのか。
　拘束が相次ぐ渦中に英ガーディアン紙の取材に応じた書店関係者は、「彼ら（当局側）はあの本と関係のある人間を拘束して、本が出ないようにしているのだろう」と語っていた。この関係者も取材の3週間後に拘束されている。
「あの本」とは、『習近平とその愛人たち（習近平与他的情人們）』という題名で、同書店が版元となって発売に向けた準備を進めていたものだ。その最中に関係者が拘束されたため、現在にいたるまで発売されていない〉（『週刊ポスト』2016年3月25日・4月1日号）
　習近平氏が主人公で、初恋から最高指導者になるまでに出会った、6人の愛人との関係が中心の小説仕立てだという同書。
いったい何が描かれ、何が習近平国家主席の気に障ったのか。
発禁本の内容、中国の現在の状況を、お伺いします。　

西谷格
ジャーナリスト

1981年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学社会科学部卒業後、『新潟日報』で記者として働いたのち、フリーランスに。『週刊ポスト』『AERA』などを経て、2009年から上海に住み、15年に日本へ帰国。現在は日本のニュース週刊誌を中心に中国関連の記事を執筆している。著書に『この手紙、とどけ!: 106歳の日本人教師が88歳の台湾人生徒と再会するまで』（小学館）、『中国人は雑巾と布巾の区別ができない』（宝島社新書）。

※ プロフィールは放送日2016.04.01時点の情報です