過去の放送

Vol.104 一般公開

熊本地震と自衛隊

2016.05.13 46分

5月13日金曜夜10時、第104回のゲストは、ジャーナリストの桜林美佐さんです。
4月14日から続く熊本地震。震災発生直後には熊本知事が陸上自衛隊に災害派遣要請を行い、迅速に人命救助などが始まりました。
16日の午後には群馬、長野、新潟、静岡の東部方面隊、そして中部方面隊隷下の部隊、また多くの東北の部隊がそれぞれ出発。東北の部隊は5年前の「(東日本大震災の)恩返し」だと駐屯地を後にしたと桜林さんはいいます。当時は九州から各部隊がやはり陸路で東北を目指しました。
災害派遣では、その規模がよく取りざたされます。しかし桜林さんは、「派遣数」という数字だけにこだわらないほうがいいといいます。
〈この派遣数を決めるのは難しい。大きい方がいい印象はあるが、一方で、仮に2万人いて3食きちんと食べれば1日に6万食の糧食が必要である。補給が間に合わなければ、彼らの活動環境は過酷になる。数百単位のトラックを駐車して、天幕を張る広い場所を要するし、道には自衛隊車両ばかりになりかねない。
 一度規模が示されると減らし難い面もある〉(夕刊フジ、桜林氏連載「誰かのために 熊本地震と自衛隊」4月27日)
そして、地震が起きると他国による領空侵犯措置も増え、沖縄県・尖閣諸島周辺の中国船の動きも止まらない。国防に「隙」ができないように気を配る必要もあるとも桜林さん。
また、震災発生から4日後の4月18日には、米海兵隊のオスプレイが、日本国内初となる災害支援任務に就き、輸送支援を開始しました。これを、「政治利用」「実績作り」と批判し、逆に政治利用したメディアもあります。
熊本地震での自衛隊の活動、災害派遣についての誤解、オスプレイの機能やアメリカの厚意について詳しく伺います。

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桜林美佐

桜林美佐
ジャーナリスト

1970年東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作した後、ジャーナリストに。国防問題を中心に取材・執筆。著書に『自衛隊の経済学』(イースト新書)、『海をひらく 知られざる掃海部隊』『誰も語らなかった防衛産業』『自衛隊と防衛産業』(並木書房)、『ありがとう、金剛丸 星になった小さな自衛隊員』(ワニブックス)、『日本に自衛隊がいてよかった 自衛隊の東日本大震災』(産経新聞出版)など。

※ プロフィールは放送日2016.05.13時点の情報です

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