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Vol.19 一般公開

「世界に向けての宣伝戦で徹底的に勝つことだ」
日本は中国の仕掛ける戦争の危険をどのように回避できるか?

2013.03.01 51分

 中国軍による自衛隊機および護衛艦に対する射撃管制用のレーダー照射など尖閣諸島の海と空が異常なまでに緊迫しています。3月5日に全人代が予定され、新指導者習近平の地位が完全に固まります。3月1日(金)夜9時「櫻LIVE 君の一歩が朝(あした)を変える!」第19回放送は、このタイミングで中国問題に精通するジャーナリスト富坂聰氏をゲストにお迎えしました。富坂氏と櫻井キャスターは、習近平の実像と尖閣緊迫に習政権はどのように出てくるのか徹底的に、多角的に分析しました。

 まず、二人のジャーナリストは、中国の凄まじい腐敗と格差の実態を暴きだします。富坂氏は「共産党幹部からや国有大企業の社員までが手にする地下経済の灰色収入は、約80兆円にもなる」と語りました。櫻井キャスターは「習近平が腐敗撲滅に乗り出したとしても、その矛先は自分達に向かってくることになり、改革は挫折する」と分析しました。

 中国共産党は、人々に平等に富を分配するという意味で共産党ではなくなっています。全国各地で1日千件にも上るといわれる暴動に内心ビクビクしているのが実情です。現在の暴動は不満から起こり、政治化されてはいると考えにくいのですが、共産党幹部らは海外脱出をヘッジするために蓄財に走るなど不安を抱けば抱くほど、国内批判をかわすために対日強硬路線と激化させると考えられます。

 富坂氏は「中国共産党は、中、長期的に見れば日本と問題を起こすことは良いことにつながらないと分っている」「尖閣をめぐり最悪戦争になることも考えられるが、その場合1,000万人と言われる日本企業の労働者雇用がなくなり、輸出品の6割にも日本製品が使われており、得意の輸出ができなくなるなど中国経済がダメージを受ける」と分析しました。櫻井キャスターは「習近平政権は国内での批判がかわせなければ、偶発的なことも含め激しく仕掛けてくることもあるだろう」との考えを述べました。

 この後は、櫻井キャスターが「日中が戦うことになれば一体どうなる?」と質問、富坂氏は「短期的には日本が勝つと思う、長引けば長引くほど日本は不利」と分析、しかし日本はその際にやらねばならないことが3つあると語りました。その3条件とは?

 対談の後半にも、日本は中国の仕掛ける紛争、戦争の危険をいかに回避できるかなど対中国戦略や具体的にリスクを回避する方法など興味尽きない議論が交わされました。その中で富坂氏も櫻井キャスターも世界に向けての宣伝戦、情報戦に力を入れるべきだという見解で一致しました。今回の対談は、中国国内の不正と腐敗の実態、中国がなぜ対日強硬路線を激化させるかなど中国問題の構図や捉え方を理解していただくために、この上ない対談ですのでどうぞご覧いただきたいと思います。

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富坂 聰

富坂 聰
ジャーナリスト

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系中退。「週刊ポスト」「週刊文春」記者を経てフリーライター。1994年『龍の伝人たち』で21世紀国際ノンフィクション大賞優秀賞を受賞した。現在、様々な雑誌メディアへの執筆、テレビコメンテーターなどで活躍中。著書に『中国の地下経済』、『中国マネーの正体』、『習近平と中国の終焉』、『間違いだらけの対中国戦略』など多数。

※ プロフィールは放送日2013.03.01時点の情報です

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