過去の放送

Vol.22 一般公開

「ALL JAPANで3年以内にレアアースを引き上げたい」
水深5,600mの海底開発を可能にする採掘システムとは?

2013.03.22 45分

 南鳥島周辺の海底に眠るレアアース情報は、加藤教授との対談を視聴していただければ幅広い理解が可能です。対談の中では、加藤教授にお持ちいただいた貴重なレアアース泥の実物もご覧いただけます。加藤教授と櫻井キャスターとの対談は、非常にホットなタイミングで行われました。実はその前日、加藤教授の研究チームと海洋研究開発機構は文科省記者クラブで会見し、1月に行われた南鳥島周辺の海底探査で高濃度レアアースを確認したと発表したのです。 

 レアアース(Rare earth elements)を材料とする磁石は、ハイブリッド車、電気自動車、LED照明、スマートフォーンなどハイテク製品に必要不可欠です。しかし、9割を産出している中国が尖閣問題以後、輸出規制を行うなど問題も抱えており、日本が日本の排他的経済水域内にあるレアアースを独自開発できれば、供給を求めて中国の顔色をうかがったりせずに済みます

 対談の中で、櫻井キャスターは尖閣問題直後になぜ猛烈に調査を始めたかを問いました。加藤教授は「2年かけて論文にしようとしていましたが、中国がレアアースを出さないと言い始めたので、研究室を総動員して2カ月で論文を書き上げました」とレアアースの存在を発表した当時の差し迫った状況を振り返りました。櫻井キャスターは「まさに侍JAPANの志ですね」と応じました。

 対談の終りに加藤教授は「最速で行けば探査は1~2年でできる、同時並行で採掘の実証試験が2~3年、3年以内にパイロット的にレアアースを引き上げることができる。日本のため、世界のためにALL JAPANでやりたい」と資源開発にかける決意を語りました。

≪動画インデックス≫
1. 南鳥島の位置とレアアースの重要性
2. 海底泥にはどの程度のレアアースが含まれるか
3. 中国はなぜ環境汚染となるレアアースを開発するのか
4. 海底のレアアース泥に放射性元素は含まれていないのか
5. 世界のレアアース事情
6. 経産省など日本政府のプロジェクトサポートは十分か
7. 何年先にレアアースの引き上げは可能か、日本は資源大国になれるか
8. 水深5,600mの海底開発を可能にする採掘システムとは

Edgeブラウザではスキップ機能を利用できない場合がございます。Chrome/Firefox/Safariブラウザではスキップが可能です。

プロバイダや使用場所によっては再生が途切れる場合がございます。動画が停止した場合、ブラウザの更新ボタンを押してください。

加藤 泰浩

加藤 泰浩
レアアース資源

1961年埼玉県生まれ。東京大学理学部地学科卒業、同大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。日本学術振興会特別研究員、山口大学理学部助手、米国ハーバード大学客員研究員、英国ケンブリッジ大学客員研究員などを経て、現在は東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター教授。2011年『ネイチャー・ジオサイエンス』誌で、太平洋の海底にレアアースを含む泥の大鉱床があることを発表し世界中で大反響を呼んだ。著書に『太平洋のレアアース泥が日本を救う』など。

※ プロフィールは放送日2013.03.22時点の情報です

言論テレビ 会員募集中!

生放送を見逃した方や、再度放送を見たい方など、続々登場する過去動画を何度でも繰り返しご覧になることができます。
詳しくはこちら
Instagramはじめました フォローはこちらから

アップデート情報など掲載言論News & 更新情報

週刊誌や月刊誌に執筆したコラムを掲載闘うコラム大全集

  • 異形の敵 中国

    異形の敵 中国

    2023年8月18日発売!

    1,870円(税込)

    ロシアを従え、グローバルサウスを懐柔し、アメリカの向こうを張って、日本への攻勢を強める独裁国家。狙いを定めたターゲットはありとあらゆる手段で籠絡、法の不備を突いて深く静かに侵略を進め、露見したら黒を白と言い張る謀略の実態と大きく揺らぐ中国共産党の足元を確かな取材で看破し、「不都合な真実」を剔抉する。

  • 安倍晋三が生きた日本史

    安倍晋三が生きた日本史

    2023年6月30日発売!

    990円(税込)

    「日本を取り戻す」と叫んだ人。古事記の神々や英雄、その想いを継いだ吉田松陰、橋本左内、横井小楠、井上毅、伊藤博文、山縣有朋をはじめとする無数の人々。日本史を背負い、日本を守ったリーダーたちと安倍総理の魂と意思を、渾身の筆で読み解く。

  • ハト派の嘘

    ハト派の噓

    2022年5月24日発売!

    968円(税込)

    核恫喝の最前線で9条、中立論、専守防衛、非核三原則に国家の命運を委ねる日本。侵略者を利する空論を白日の下にさらす。 【緊急出版】ウクライナ侵略、「戦後」が砕け散った「軍靴の音」はすでに隣国から聞こえている。力ずくの独裁国から日本を守るためには「内閣が一つ吹っ飛ぶ覚悟」の法整備が必要だ。言論テレビ人気シリーズ第7弾!