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Vol.155 一般公開

大激変する中東、崩壊に直面したEU

オバマ政権の指導力不足が招いた世界の縮図

2015.10.09 61分

 ロシアは、9月30日以来シリア北部への空爆を継続し、10月2日までに空爆箇所は24カ所となりました。空爆対象は「イスラム国」の拠点とされていますが、米国が非公式に支持する反体制派「自由シリア軍」の活動地域も含まれています。ロシアはアサド政権の存続を求めており、空爆がアサド政権軍支援を目的行われている疑いも出ています。空爆が拡大すれば、さらなる難民が欧州へと押し寄せる恐れもあり、EUはギリシャ問題などユーロ危機に加え、難民危機で崩壊する恐れも出てきています。一方、米国では、9月28日行われた米ロ首脳会談の2日後に空爆が開始されたことから、オバマ政権の弱腰外交がロシアのシリア介入を招いたと批判されています。米紙ウォールストリート・ジャーナルは「米国の指導力が失われた世界の縮図」とオバマ外交を厳しく評しています。激変する中東、崩壊するEU、加えて米国の指導力不足、世界はいったいどこに向かうのでしょうか。
 この問題を解く鍵は、ロシアの動きのようです。外交評論家の田久保忠衛氏は「ロシアは、ウクライナで欧州各国から総スカンを食った、それなら今度はと中国へ出てきたが、中国経済が減速し始めた。西でもダメ、東でもダメ、それで今度はシリアに出てきた」とロシアの動きを分析します。櫻井キャスターは「世界的な流れから見ると、今のロシアにコミットすることが、不安定要因になりつつある。日本の行く末を考える時に、地政学的な考えをしなければならない」と指摘しました。

≪動画インデックス≫
 1.世界情勢から見たロシアのシリア空爆の意味
 2.強国はさらに強く、弱国はさらに弱く、通貨は統合したが実態はバラバラ
 3.ロシアがアサド政権を支持する理由
 4.一目で解るシリア内戦の構図
 5.シリア内戦はスンニ派とシーア派の宗教戦争
 6.欧州に押し寄せる250万難民の実態
 7.米国の消極性が、ロシアの蛮行を生んだ
 8.日本人はドイツへの“片思い”、ドイツ人は中国の神秘さに惹かれる
 9.日本の同盟国でありながら、ドイツは蒋介石中国に軍事支援を行っていた
10.ドイツ人にはジャパノロジスト(日本研究者)は一人もいない
11.戦後の日本が「地政学」を学ばなくなったのはなぜか
12.日本人は国際政治や安全保障がなぜ苦手なのか
13.安倍政権は中露外交をどうすべきか

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田久保 忠衛

田久保 忠衛
外交評論家,国家基本問題研究所副理事長

1933年千葉県生まれ。早稲田大学法学部卒、時事通信社外信部長、編集局次長を経て、杏林大学社会科学部教授。アメリカ外交、国際関係論が専門、1996年第12回正論大賞受賞。現在、公益財団法人「国家基本問題研究所」副理事長、杏林大学名誉教授。著書に『ニクソンと対中国外交』、『激動する国際情勢と日本』、『新しい日米同盟―親米ナショナリズムへの戦略』、『早わかり・日本の領土問題-諸外国と何をモメているのか』など多数。

※ プロフィールは放送日2015.10.09時点の情報です

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