亀井静香、麻生太郎、与謝野馨、中川秀直、中川昭一、谷垣禎一、石破茂など歴代の自民党政調会長は強面ぞろいです。政調会長の役割は、党の選挙公約や国会に提出する法律などをそれぞれの調査会で審議して、最終的な決断を下すことです。4月12日「櫻LIVE 君の一歩が朝(あした)を変える!」のゲストは、その重要ポストに初めての女性として起用された高市早苗さんです。
対談は、高市政調会長の発言が注目された直後のタイミングで行われました。波紋を呼んだのは「憲法は国家観に関わることで、選挙の争点に常になるべきだ。国家観による政界再編が最後の正しい姿だと思う」という4月6日の発言です。同発言を、憲法改正を巡る価値観を軸に政界再編が行われるのが望ましいと読むと、改憲に慎重な公明党との連立解消に言及したとの見方も出来るわけです。事実この高市発言に波紋が広がりました。
櫻井キャスターは「明確に憲法改正をテーマとして参院選を戦うと見てよいか」と質すと、高市政調会長は「そうなってきました。発言した次の日は大騒ぎになりましたが、(私の発言に続き)官房長官、総理、幹事長も発言してくださいましたので、少し流れを作れた」と述べ、政調会長として憲法改正で参院選を戦う方向に一役かったことを明らかにしました。櫻井キャスターの「公明党は反発しているが、政策の擦り合わせをしなければならないか」との問いに、高市政調会長は毎週の与党政策責任者会議で全ての法案を擦り合せている。憲法96条の改正も擦り合わせをするが、全く同じ政党でもないのですべての政策が揃うわけでもないと答えました。
対談が佳境に入ったのは、日本の水源地や森林を外国資本、とりわけ中国資本の買い漁りから守ろうという議論でした。高市政調会長は以前からこの議員立法に力を入れてきました。彼女が手がけた法案を整理しておきます。① 外国資本などによる重要水源林の買収に歯止めをかける「森林法改正法律案」を起草・提出し、与野党によって修正を加えられ、これは成立しています。② 外国資本などの地下水大量取水に対抗するために「地下水の利用の規制に関する緊急措置法案」を起草・提出していますが、継続審議の末廃案となりました。③ 自衛隊や海上保安庁の基地周辺の不動産を国有化する「安全保障土地法案」を準備中です。
動画の中にたびたびWTOのGATS(サービス、貿易に関する一般協定 → 世界貿易機関を設立するマラケッシュ協定の一部で、サービス貿易の障害となる政府規制を対象とした初めての多国間国際協定)違反という言葉が出てきますが、外国人や外国法人に限って日本での土地取得を禁止することは、複数の2国間投資協定に違反する上、WTOのGATS違反にもなる可能性があるため立法化が難しいといわれます。しかし、日本以外の国々はなんらかの形で外国資本の国土買収を制限していますので、日本国政府はさらに工夫を重ねることが求められます。対談は中国など外国資本に狙われる日本の国土、資源をいかに守るかをテーマに、その現状と対策を理解する上で素晴らしい対談教材となりました。是非ご覧ください。
≪動画インデックス≫
1. 大所帯自民党で女性初の政調会長が大役を果たす苦労は・・・
2. 野田聖子総務会長との関係?
3. 明確に憲法改正をテーマに参院選を戦うか?
4. 公明党との政策擦り合わせの実情
5. TPPで党内をまとめた裏での何が起こっていたのか?
6. 北方領土返還が4島から3島などに政策が変わったのか?
7. 日本の水源地や森林を中国資本から守る
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高市 早苗
自民党政調会長
1961年奈良県生まれ。神戸大学経営学部卒、松下政経塾卒、1993年に衆議院議員当選し、6期目となる。小渕内閣で通商産業政務次官、小泉内閣で経済産業副大臣、2006年に第1次安部内閣で内閣府特命担当大臣として初入閣を果たした。沖縄及び北方対策、科学技術政策、イノベーション、少子化・男女共同参画、食品安全を担当。2012年から第2次安倍内閣で女性初の政調会長に就任した。著書に『アメリカ大統領の権力のすべて』、共著に『永田町からの政治論』『サッチャーからの提言 新しい日本』など。座右の銘は「高い志 広い眼 深い心」
※ プロフィールは放送日2013.04.12時点の情報です