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Vol.174 一般公開

悲願の国産ステルス機心神が初飛行へ

零戦が初めて飛んだ各務原の空を心神が飛翔

2016.02.19 56分

 国産初のステルス戦闘機「心神」(先進技術実証機 Advanced Technological Demonstrator-X )が、3月初旬から中旬に初飛行します。初飛行は県営名古屋空港を離陸し、航空自衛隊の岐阜基地(岐阜県各務原市)に着陸する計画です。心神の初飛行前の仕上げ作業は、ゼロ戦(日本海軍の零式艦上戦闘機)を生んだ三菱重工業の名古屋航空宇宙システム製作所(旧・名古屋航空機製作所)で行われています。まさに心神は「ゼロ戦のDNA」を受け継ぎ、日本の先端技術を結集し、ゼロ戦同様に軽量化が図られています。「心神」というのはニックネームで、富士山を描いた日本画壇の巨匠横山大観が富士山を「心神」と呼んだことに由来しているといわれます。「心神」という呼び方には「日本の魂」という思いが込められています。
 対談で櫻井キャスターが「日本が主力戦闘機のF-2を国産で作りたいと要望した際に日米で問題が起こりましたね」と尋ねると、小野寺五典前防衛大臣は「日本で開発しようとしていた計画に米国から横やりが入りました。戦闘機の重要情報などを米国が取得するなど様々な条件が付き、米国で実戦配備されていたF-16そっくりになってしまい、本当にやりたかったことは米国の圧力で出来ませんでした」と語り、だからこそ心神が悲願の純国産戦闘機なってほしいという熱い期待を示しました。
 心神の特徴は、敵レーダーに探知されずに敵を捕捉できる世界一のステルス性能、耐熱材料、航空電子機器など日本が誇る先端技術を統合した高運動性にあります。対談ので防衛省が初めて提供した「地上滑走をする心神」映像、敵機の背後に忍者のようにクルリと回転する心神のシミュレーションなど興味深い映像が公開されます。
 防衛省は、研究試作機である心神を「第5世代戦闘機」と呼ばれる現在のステルス機より上を行く「第6世代戦闘機」の礎にすることを目指しています。ゼロ戦が初めて飛んだ各務原の空を、77年経った今年3月、悲願の国産ステルス戦闘機心神が大空を舞います。

≪動画インデックス≫
 1.小松自衛隊基地を地上滑走する心神の映像(防衛省提供)
 2.先進技術を統合した世界一の心神のステルス性能の秘訣
 3.忍者のようにクルリと回転する心神の高運動性シミュレーション映像(防衛省提供)
 4.日本しかできない推進力を変えるバーナー出口に付けたパドル映像(防衛省提供)
 5.2度燃焼しパワーをあげるアフターバーナージェットエンジン映像(防衛省提供)
 6.大型ジェットエンジンの開発がなぜ遅れたのか?
 7.悲願の国産戦闘機は、F-2開発時に米国によって潰された
 8.F-2開発時に、車の自動ブレーキ、ETCカードは日本の技術が作った
 9.F-2後継機は日本単独開発か?各国共同開発か?
10.心神は戦闘機第6世代への架け橋になれるか
11.心神開発は中国の日本への見方を変えることができるか
12.どんどん差が開く日中軍事力をどのように縮めることができるか
13.日本の「技術」は中国の「量」に対抗できるのか

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小野寺五典

小野寺五典
衆議院議員(前防衛大臣)

1960年宮城県生まれ。東京水産大学卒、松下政経塾、東京大学大学院法学政治学研究科修了。1997年衆議院宮城6区補欠選挙で初当選。2000年米国ジョンズ・ホプキンス大高等国際問題研究所客員研究員。2007年外務副大臣(第1次安倍改造内閣)、2012年防衛大臣(第2次安倍内閣)を歴任。

※ プロフィールは放送日2016.02.19時点の情報です

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