天皇陛下の「象徴としてのお務め」についてのお気持ちを表明したビデオメッセージが8月8日公表されました。「お気持ち」を報道した新聞各紙は、生前退位などという言葉はありませんが、天皇ご自身が「生前退位」を希望しているとの見出しが並びました。陛下のお言葉に耳をすませて皇室の、そして日本の未来を作家の竹田恒泰氏と考えました。
対談の冒頭で櫻井キャスターは「新聞などでは退位なさることが前提の書き方ですが、どう受け止めればよいと考えるか」と尋ねました。竹田氏は「全文を見ても退位、譲位などという言葉は一言も出てこない。将来に課題が出てくると仰っていて、解決策は摂政でないことが分かるが、具体的におっしゃっていないということがミソです」と述べました。この後、「お言葉」の文章に沿ってお二人の解釈が披露されました。
対談は「生前退位」を単独スクープしたNHK報道に及び、竹田氏は「NHKの単独スクープには非常に大きな違和感を覚えた。直後に宮内庁次長が内容を否定し、翌日も宮内庁長官が記者会見で事実でないと否定した。しかし、報道各社はお構いなしに事実であることを前提に流した。元々予定されたパッケージなのか、陛下がお出ましになって火消しをしなければならない状況だったのか」と指摘しました。この後も竹田氏は、NHK単独スクープに宮内庁がどのような役割を果たしたのかについての分析を語りました。
番組の後半で櫻井キャスターは「天皇陛下のお気持ちを慮りながら、お気持ちに沿うようにして差し上げたい。しかし、日本国の国柄や歴史から学んだ譲位は必ずしも良いことではないという国家の知恵の蓄積をどう両立させるか」と問題を投げかけると、竹田氏は「衆議を尽くして、知恵を出し合えば最善の策に行きつく可能性がある。譲位も制度化すれば問題があるが、今上天皇一代限りの特別措置などの方法で乗り切るのも一つ方法」と解決策の一つを示しました。
≪動画インデックス≫
1.天皇「お言葉」を解釈する
2.天皇のご公務を減らすにも公平でなくてはいけないという考え方
3.立憲君主としてのお立場とは
4.昭和天皇の「お言葉」表明は ①張作霖事件 ②2・26事件 ③終戦の決断
5.NHK単独スクープには大きな違和感を感じる
6.宮内庁長官が否定したNHK単独スクープになぜ宮内庁は抗議しないのか
7.過去の「譲位」事例の分析
8.最後まで天皇だった昭和天皇
9.天皇に個人はどこまで認められるか
10.崩御される前年秋の病床で昭和天皇は、長雨が続くと「米は大丈夫か」
11.「お言葉」と安倍政権の目指す憲法改正
12.今上天皇一代限りの特別措置法
13.雅子様の皇后としての適格性は
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竹田恒泰
作家
昭和50年に東京生まれ。生家は旧皇族・竹田家で、明治天皇の玄孫に当たる。慶應義塾大学法学部卒業、憲法学・史学の研究に従事する。日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恒和氏は父。平成18年に著書『語られなかった皇族たちの真実』で山本七平賞を受賞、その他『エコマインド~環境の教科書』、『皇室へのソボクなギモン』(共著)、『旧皇族が語る天皇の日本史』、『面白いけど笑えない中国の話』、『面白いけど笑えない韓国の話』など著書多数。ニコニコ動画「竹田恒泰チャンネル」で新聞記事解説を配信中。
※ プロフィールは放送日2016.08.19時点の情報です