過去の放送

Vol.200 一般公開

陛下「お言葉」から考える日本の未来

NHK単独スクープに大きな違和感を覚える

2016.08.19 67分

 天皇陛下の「象徴としてのお務め」についてのお気持ちを表明したビデオメッセージが8月8日公表されました。「お気持ち」を報道した新聞各紙は、生前退位などという言葉はありませんが、天皇ご自身が「生前退位」を希望しているとの見出しが並びました。陛下のお言葉に耳をすませて皇室の、そして日本の未来を作家の竹田恒泰氏と考えました。
 対談の冒頭で櫻井キャスターは「新聞などでは退位なさることが前提の書き方ですが、どう受け止めればよいと考えるか」と尋ねました。竹田氏は「全文を見ても退位、譲位などという言葉は一言も出てこない。将来に課題が出てくると仰っていて、解決策は摂政でないことが分かるが、具体的におっしゃっていないということがミソです」と述べました。この後、「お言葉」の文章に沿ってお二人の解釈が披露されました。
 対談は「生前退位」を単独スクープしたNHK報道に及び、竹田氏は「NHKの単独スクープには非常に大きな違和感を覚えた。直後に宮内庁次長が内容を否定し、翌日も宮内庁長官が記者会見で事実でないと否定した。しかし、報道各社はお構いなしに事実であることを前提に流した。元々予定されたパッケージなのか、陛下がお出ましになって火消しをしなければならない状況だったのか」と指摘しました。この後も竹田氏は、NHK単独スクープに宮内庁がどのような役割を果たしたのかについての分析を語りました。
 番組の後半で櫻井キャスターは「天皇陛下のお気持ちを慮りながら、お気持ちに沿うようにして差し上げたい。しかし、日本国の国柄や歴史から学んだ譲位は必ずしも良いことではないという国家の知恵の蓄積をどう両立させるか」と問題を投げかけると、竹田氏は「衆議を尽くして、知恵を出し合えば最善の策に行きつく可能性がある。譲位も制度化すれば問題があるが、今上天皇一代限りの特別措置などの方法で乗り切るのも一つ方法」と解決策の一つを示しました。

≪動画インデックス≫
 1.天皇「お言葉」を解釈する
 2.天皇のご公務を減らすにも公平でなくてはいけないという考え方
 3.立憲君主としてのお立場とは
 4.昭和天皇の「お言葉」表明は ①張作霖事件 ②2・26事件 ③終戦の決断
 5.NHK単独スクープには大きな違和感を感じる
 6.宮内庁長官が否定したNHK単独スクープになぜ宮内庁は抗議しないのか
 7.過去の「譲位」事例の分析
 8.最後まで天皇だった昭和天皇
 9.天皇に個人はどこまで認められるか
10.崩御される前年秋の病床で昭和天皇は、長雨が続くと「米は大丈夫か」
11.「お言葉」と安倍政権の目指す憲法改正
12.今上天皇一代限りの特別措置法
13.雅子様の皇后としての適格性は

Edgeブラウザではスキップ機能を利用できない場合がございます。Chrome/Firefox/Safariブラウザではスキップが可能です。

プロバイダや使用場所によっては再生が途切れる場合がございます。動画が停止した場合、ブラウザの更新ボタンを押してください。

竹田恒泰

竹田恒泰
作家

昭和50年に東京生まれ。生家は旧皇族・竹田家で、明治天皇の玄孫に当たる。慶應義塾大学法学部卒業、憲法学・史学の研究に従事する。日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恒和氏は父。平成18年に著書『語られなかった皇族たちの真実』で山本七平賞を受賞、その他『エコマインド~環境の教科書』、『皇室へのソボクなギモン』(共著)、『旧皇族が語る天皇の日本史』、『面白いけど笑えない中国の話』、『面白いけど笑えない韓国の話』など著書多数。ニコニコ動画「竹田恒泰チャンネル」で新聞記事解説を配信中。

※ プロフィールは放送日2016.08.19時点の情報です

言論テレビ 会員募集中!

生放送を見逃した方や、再度放送を見たい方など、続々登場する過去動画を何度でも繰り返しご覧になることができます。
詳しくはこちら
Instagramはじめました フォローはこちらから

アップデート情報など掲載言論News & 更新情報

週刊誌や月刊誌に執筆したコラムを掲載闘うコラム大全集

  • 異形の敵 中国

    異形の敵 中国

    2023年8月18日発売!

    1,870円(税込)

    ロシアを従え、グローバルサウスを懐柔し、アメリカの向こうを張って、日本への攻勢を強める独裁国家。狙いを定めたターゲットはありとあらゆる手段で籠絡、法の不備を突いて深く静かに侵略を進め、露見したら黒を白と言い張る謀略の実態と大きく揺らぐ中国共産党の足元を確かな取材で看破し、「不都合な真実」を剔抉する。

  • 安倍晋三が生きた日本史

    安倍晋三が生きた日本史

    2023年6月30日発売!

    990円(税込)

    「日本を取り戻す」と叫んだ人。古事記の神々や英雄、その想いを継いだ吉田松陰、橋本左内、横井小楠、井上毅、伊藤博文、山縣有朋をはじめとする無数の人々。日本史を背負い、日本を守ったリーダーたちと安倍総理の魂と意思を、渾身の筆で読み解く。

  • ハト派の嘘

    ハト派の噓

    2022年5月24日発売!

    968円(税込)

    核恫喝の最前線で9条、中立論、専守防衛、非核三原則に国家の命運を委ねる日本。侵略者を利する空論を白日の下にさらす。 【緊急出版】ウクライナ侵略、「戦後」が砕け散った「軍靴の音」はすでに隣国から聞こえている。力ずくの独裁国から日本を守るためには「内閣が一つ吹っ飛ぶ覚悟」の法整備が必要だ。言論テレビ人気シリーズ第7弾!