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Vol.201 一般公開

緊急報告!今、国後で起きている準備

「まず3島返還が先、択捉は経済的に取る」

2016.08.26 62分

 この秋、ロシアのプーチン大統領の来日が実現する可能性が高くなっています。安倍首相は9月2日と3日にウラジオストクで開かれるロシア政府主催の「東方経済フォーラム」にプーチン大統領の招待を受けて出席し、2日にはプーチン大統領と首脳会談を行います。安倍首相は、経済協力の推進など両国関係の強化を図りながら、北方領土問題の解決を含む平和条約交渉でロシア側から前向きな対応を引き出したい考えです。
 その北方領土に、国境問題研究の第1人者である山田吉彦東海大教授が7月に訪れました。山田教授は「今が北方領土返還の大きなチャンスだ」と主張します。ロシアは対日カードとして、いつでも国後島を返還できる準備を行っていると感じたそうです。いったい山田教授は国後島でどんな状況を見たのでしょうか?
 櫻井キャスターは「国後島の空気の変化を実感すると今が返還のチャンスだと思うか」と問うと、山田教授は「まずは国後、色丹、歯舞の3島返還が先、択捉は経済的に取ればよい。北方領土出身者の平均年齢は80歳を超え、このまま月日が経てば北方領土問題が忘れ去られてしまう。両国に強いリーダシップを持つ指導者がいる今でなければ交渉は進まない。米国は大統領選挙で物は言えない、今がチャンス」と断言しました。4島の返還を主張する櫻井キャスターは「日本にとって最後のチャンスかもしれないが、極東開発を進めたいロシアにとっても最後のチャンスだ。私はソビエト抑留などを思い出す。日本はロシアには筋を曲げてはいけないと思う」と述べ、対談を締めくくりました。

≪動画インデックス≫
 1.国後島で北方領土返還の「準備」を感じた
 2.国後は公共投資だけの見せかけだけの開発の島だった
 3.国後という郷土意識は持たせない
 4.択捉は利権構造で汚れたいびつな資本主義が蔓延っている
 5.港湾施設にソーラス条約に対応したフェンスを張った意味
 6.プーチン大統領の考える極東開発の実相
 7.先ずは3島返還が先、択捉は経済的に取ればよい
 8.領有権を棚上げし施政権だけ先に返す北方領土の沖縄方式
 9.北方領土は「2国間だけでなくグローバルな視点で解決する」という意味
10.国後水道の軍事、戦略的重要性とは
11.ナショナリズムは経済のための道具と考える若いロシア人が主流
12.日本人400万円持ち出し男事件が起きた背景
13.ソ連人ではなく損得勘定で動く若いロシア人が主流
14.今年秋が北方領土解決のチャンス

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山田吉彦

山田吉彦
東海大学海洋学部教授

1962年生まれ。埼玉大学経済科学研究科博士課程修了。現在、東海大学海洋学部教授。専門は海洋政策、海洋安全保障、現代海賊問題、国境問題、離島問題 。著書に『驚いた!知らなかった日本国境の新事実』、『日本国境戦争』、『日本の海をめぐる攻防』、『海賊の掟』、『尖閣激突』(共著)、『解決! すぐわかる日本の国境問題』など多数。

※ プロフィールは放送日2016.08.26時点の情報です

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