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Vol.41 一般公開

「中国の武装民兵が尖閣にしずしず と上陸した場合武力攻撃ではない」
尖閣諸島の空は警備できるが、日本の領海、領土を守る規定がない

2013.08.02 43分

 参院選圧勝後の安倍首相の発言からは、憲法改正への強いこだわりを感じますが、かといって今すぐ憲法改正を進めていこうとはしないようです。安倍晋三首相の憲法改正への間合いを念頭に、櫻井キャスターは、自民党が大勢力を有した現在こそ日本再興に欠かせない大事な改革を断行する稀有な好機ではないのか、この機を逃がさず信念に恃(たの)んで戦後体制の改革を成し遂げるべきだと語っています。産経新聞の憲法改正草案「国民の憲法」の起草委員で、解り易い解説で知られる百地章日大教授をゲストに、「なぜ今、憲法改正を必要とするのか」を企画しました。

 櫻井キャスターはまず「緊急事態対処規定、防衛・安全、憲法改正条項、こうした緊急度の高いものからとにかく手をつけなきゃいけない」と問題を提起しました。百地教授は「新しくできた100ヶ国の憲法のうち100%が緊急規定を持っています。ない国はまずない」と述べ、それが「占領憲法たる所以で、日本側は緊急時規定がほしいとGHQに要求したが拒否された。米国は不文法という考え方があり、いざとなったらそれで対処すればと考えた」と現行憲法に緊急規定のない理由を解説しました。

 また櫻井キャスターが、最大の有事である外国からの侵攻について「尖閣諸島に武装民兵が、銃を発射しながらではなく、しずしずと上陸した場合は武力行使とは認められない」と指摘すると、百地教授は明確な武力攻撃があれば防衛出動命令が出て軍隊並みの行動ができるが、「単なる発砲があったくらいでは(現行憲法では)行動はできない。しかし軍隊にしておけば国際法に従って行動が出来る」と自衛隊を速やかに軍隊にする必要があると語りました。

≪対談インデックス≫
1.憲法改正は今「緊急対処規定」「防衛と安全」「憲法改正条項」から
  取り組むべきだ
2 3.11が起こって緊急事態対処規定が憲法にないのは日本だけ
3.中国民兵が武装して尖閣に上陸しても、武力攻撃にならない理由とは
4.尖閣で発砲があっても自衛隊は行動できない、軍隊ならば国際法で行動できる
5.自衛隊法で空の警備ができても、領海、領土は警備できない
6.尖閣で海上保安庁の船が警備する法的根拠は調査研究活動!?
7.日本がトップグループ、主要国の憲法改正手続き「難易度」
8.「日本国民は」という冒頭の主語を外したら、どこの国の憲法かわからない

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百地 章

百地 章
日本大学法学部教授

1946年静岡県生まれ。京都大学大学院法学研究科修士課程修了。愛媛大学法文学部教授を経て、1994年から日本大学法学部教授。国士舘大学大学院客員教授。法学博士。現在、比較憲法学会副理事長、憲法学会常務理事、『産経新聞』「正論」執筆メンバー。著書に『憲法の常識 常識の憲法』、『憲法と日本の再生』、『靖国と憲法』、『憲法と政教分離』など多数。

※ プロフィールは放送日2013.08.02時点の情報です

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