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Vol.499 会員限定

ワクチンと厚労省

2023.12.08 50分

令和5年12月8日金曜夜10時、第499回のゲストは弁護士の楊井人文さんです。
楊井さんはヤフーニュースに9月28日、「コロナワクチン健康被害 死亡事例の受理件数を公表 厚労省、情報不開示から一転」という記事を寄稿しました。
〈予防接種の健康被害救済制度に基づき、新型コロナワクチン接種後に死亡した人の遺族による申請を受理した件数は、9月22日までに949件に上ることがわかった。厚生労働省が27日、健康被害の審査結果をまとめた資料で明らかにした。
 同省はこれまで、健康被害の申請受理件数の総数は公表していたが、死亡事案の受理件数や認定件数は、国会で質問を受けた場合等を除き、公表してこなかった。筆者の情報開示請求に対しても6月分以降は不開示としてきたが、公表に転じた〉
楊井さんの情報開示請求でわかったコロナワクチン接種後に死亡した人の遺族による健康被害救済制度への申請数は大きなものになっています。
楊井さんは続けてこう書いています。
〈同省の審査会はこれまでに、接種後に心筋炎を発症し死亡した19歳の男性2人を含む269人の死亡事案について、被害認定をしている。一方で、650人以上の死亡事案が審査中となっている。
 インフルエンザワクチン等の予防接種による死亡事案で厚労省が被害認定をしたのは、1977年以降の45年間であわせて151件だった〉
ちなみに、コロナワクチンの接種回数は、これまでに428,332,887回(令和5年11月28日公表、数字は26日まで、1~7回目接種の合計)となっています。
また、楊井さんは〈厚労省の疾病・障害認定審査会が、接種による因果関係を否定できないとして健康被害を認定し、給付を認定したのは、4520件(9月27日現在)。このうち、急性心筋炎・心膜炎で認定された事案は400件以上あり、10〜20代男性が6割以上を占めていることが、厚労省の資料に基づく筆者の集計でわかった〉としています。
その上で、楊井さんは、新型コロナワクチン接種が2021年に始まった当初、治験によって確認された重大な副反応は「ショック、アナフィラキシー」だけだったとして、こう指摘しています。
〈厚労省も、接種後の心筋心膜炎の発症頻度は、感染時に比べて少なく、症状も軽いなどと説明(同年7月2日改訂の厚労省Q&Aサイト、10月15日公開リーフレット)〉
〈厚労省は翌年、感染時より接種時の方が心筋心膜炎の頻度がはるかに低いと図示したリーフレットを不適切なものと事実上認め、撤回〉
 コロナワクチンに関する厚労省の対応、大マスコミの報道について伺います。

楊井人文

楊井人文
弁護士

慶應義塾大学総合政策学部卒業後、産経新聞記者を経て、2008年、弁護士登録。2012年より誤報検証サイトGoHooを運営(〜2019年)。2017年、ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)発起人、事務局長を6年近く務め、2023年退任。2018年、共著『ファクトチェックとは何か』を出版(尾崎行雄記念財団ブックオブイヤー受賞)。翌年から調査報道NPO・InFactのファクトチェック担当編集長を1年あまり務める。2023年、Yahoo!ニュース個人「10周年オーサースピリット賞」受賞。現在、ベリーベスト法律事務所弁護士、日本公共利益研究所主任研究員。

※ プロフィールは放送日2023.12.08時点の情報です

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