過去の放送

Vol.107 一般公開

「パナマ文書」を読み解く

2016.06.03 46分

6月3日金曜夜10時、第107回のゲストは、評論家の渡邉哲也さんです。
「パナマ文書」と呼ばれる漏洩した機密文書の存在が明らかになりました。
「パナマ文書」とは、パナマにある「モサック・フォンセカ」という法律事務所によって作成された、この事務所がかかわる40年間のオフショア(外国人や外国企業など非居住者向け)金融センターを利用する企業や人の取引情報です。
この文書を南ドイツ新聞が匿名者から入手し、その後、非営利の報道機関「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)に送られ、80カ国、約400人のジャーナリストが分析に加わり、2016年4月3日、149件の文書とともに報道されました。
パナマ文書のデータ量は2・6テラバイト、案件総数は1150万件、21万4000社の情報が含まれているとされています。
すでに報道されているように、そこには、現職・元職の各国大統領や首相、さらには中国の習近平国家主席の義理の兄、ロシアのプーチン大統領の極めて親しい友人、イギリスのキャメロン首相の父親などの名前が記されていました。
オフショアの多くがタックス・ヘイブン(租税回避地)であり、その取引が合法か違法かという問題がまずあります。しかし、「パナマ文書」の衝撃はそれだけではないと渡邉さんは言います。匿名口座と匿名資金の特定こそがこの文書のキモで、マネーロンダリングやテロ資金、闇資金などの流れを解明する突破口となり、それは日本にとっても無関係ではないといいます。
タックス・ヘイブンはどのように利用、悪用されているのか、世界の金融規制の状況、今後、「パナマ文書」は世界や日本にどのような影響を与えるか、お伺いします。

Edgeブラウザではスキップ機能を利用できない場合がございます。Chrome/Firefox/Safariブラウザではスキップが可能です。

プロバイダや使用場所によっては再生が途切れる場合がございます。動画が停止した場合、ブラウザの更新ボタンを押してください。

渡邉哲也

渡邉哲也
作家・経済評論家

1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評があり、さまざまな行政立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている。著書に『パナマ文書 「タックスヘイブン狩り」の衝撃が世界と日本を襲う』(徳間書店)、『中国経済はどこまで死んだか 中国バブル崩壊後の真実』(共著、産経新聞出版)など多数。

※ プロフィールは放送日2016.06.03時点の情報です

言論テレビ 会員募集中!

生放送を見逃した方や、再度放送を見たい方など、続々登場する過去動画を何度でも繰り返しご覧になることができます。
詳しくはこちら

アップデート情報など掲載言論News & 更新情報

  • 異形の敵 中国

    異形の敵 中国

    2023年8月18日発売!

    1,870円(税込)

    ロシアを従え、グローバルサウスを懐柔し、アメリカの向こうを張って、日本への攻勢を強める独裁国家。狙いを定めたターゲットはありとあらゆる手段で籠絡、法の不備を突いて深く静かに侵略を進め、露見したら黒を白と言い張る謀略の実態と大きく揺らぐ中国共産党の足元を確かな取材で看破し、「不都合な真実」を剔抉する。

  • 安倍晋三が生きた日本史

    安倍晋三が生きた日本史

    2023年6月30日発売!

    990円(税込)

    「日本を取り戻す」と叫んだ人。古事記の神々や英雄、その想いを継いだ吉田松陰、橋本左内、横井小楠、井上毅、伊藤博文、山縣有朋をはじめとする無数の人々。日本史を背負い、日本を守ったリーダーたちと安倍総理の魂と意思を、渾身の筆で読み解く。

  • ハト派の嘘

    ハト派の噓

    2022年5月24日発売!

    968円(税込)

    核恫喝の最前線で9条、中立論、専守防衛、非核三原則に国家の命運を委ねる日本。侵略者を利する空論を白日の下にさらす。 【緊急出版】ウクライナ侵略、「戦後」が砕け散った「軍靴の音」はすでに隣国から聞こえている。力ずくの独裁国から日本を守るためには「内閣が一つ吹っ飛ぶ覚悟」の法整備が必要だ。言論テレビ人気シリーズ第7弾!