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Vol.135 一般公開

日本はAIIBに参加する、しない?

AIIB出資国資金を中国国内投資に使うのか

2015.05.22 59分

 設立を急ぐ中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、創設メンバーが57カ国に増え、設立会合は6月下旬に開く方向で検討しています。日本は3月の末に米国と共に参加を見送りましたが、自民党は設立協定の署名までの間ならば、方向転換も可能とだとして政務調査会などで協議を続けています。朝日新聞、日経新聞、NHKなどは「日本と米国が孤立した」と主張し、経済界からは「バスに乗り遅れるのではないか」という声が挙がっています。TPP加盟で反対した民主党など野党各党は、AIIB加入では参加すべきと足並みを揃えました。日本はAIIBに参加するのでしょうか?

 対談ゲストは、国際金融機関の欧州復興開発銀行(EBRD)理事などで活躍し、現在は安倍首相のブレーンとしてアベノミクスを推進する本田悦朗内閣官房参与です。対談で櫻井キャスターは「中国はAIIBを作り、お金を貸すのではなく、実は中国が出資国からお金を借りたいのではないか」と問いました。本田参与は「アジア全体のインフラ資金ニーズ年8000億ドルですが、かなりの部分が中国国内のインフラ資金ニーズで、投資のほとんどが中国国内向け投資に使われるのではないか」と答えました。さらに本田参与は「中国経済は35%が「消費」、残り50~60%が「投資」で、「投資」でGDPが成り立っている。その国内投資に資金を振り向けるためにAIIBを作ったのではないか」と指摘しました。櫻井キャスターは「AIIBの設立は、すべて中国のためにやっているのではないか」と応じました。この他対談は、シルクロード計画と中国が目指す人民元の国際通貨化、そして日本はAIIBに加盟するのか、しないのかどちらの道をどんな理由で選ぼうとしているのか、アベノミクスでデフレは脱却できたのかなど櫻井キャスターと本田参与の説得力ある議論が続きました。ようこそ言論テレビへ!

≪動画インデックス≫
 1.主要国際金融機関の概略と組織図
 2.出資比率と理事会での発言権は比例するのか
 3.中国の出資比率を落とすために実質的拒否権を中国に認めた取引事情
 4.AIIB内部からの改革ができるか
 5.理事会が常設されず中国人総裁の影響力は大きい、しかも背後に中国共産党
 6.中国の外貨準備が減ったのは、富裕層が資産を海外に移したからだ
 7.AIIBは国際機関を通じて資金を借りる中国のもう一つの財布機能だ!
 8.アジアのインフラ資金ニーズと中国国内のインフラニーズはほぼ同じ額
 9.シルクロード計画は人民元をバラまき、中国労働者を連れてゆく
10.SDR構成通貨(ドル+ポンド+円+ユーロ)人民元が加わるのか
11.日本はAIIBに加入するのか、しないのか
12.アベノミクスでデフレは脱却できたのか
13.安倍首相の進路に“落とし穴”はあるのか

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本田 悦朗

本田 悦朗
内閣官房参与

1955年、和歌山県生まれ。1978年東京大学法学部卒業後、(旧)大蔵省入省。四国財務局長等を経て、2011年より政策評価審議官。その間、外務省欧州局で審議官、また、モスクワ・ニューヨーク等の在外公館のほか、世界銀行(ワシントン)、欧州復興開発銀行(ロンドン)にて、計13年間の海外勤務を経験。2012年より本年3月末まで、静岡県立大学教授。 2012年12月、第二次安倍内閣発足と同時に内閣官房参与。本年4月より明治学院大学客員教授。我が国だけではなく、米国でもデフレの危険性があったニューヨーク勤務時代(2000年~2003年)、ニューヨーク連銀のエコノミストとデフレの議論を徹底的に行ったのが、アベノミクスについて総理に進言したきっかけとなった。

※ プロフィールは放送日2015.05.22時点の情報です

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