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Vol.211 一般公開

どちらが勝っても米国没落は加速する

独裁国家ロシアとの外交は普通の外交と違う

2016.11.04 59分

 11月8日のアメリカ大統領選投開票まであとわずかとなりました。FBI(米連邦捜査局)によるクリントン候補の私的メール問題の捜査再開が「オクトーバー・サプライズ」となり、これまでの大統領選挙の情勢を一気に変えてしまう可能性も出てきました。世論調査ではまさに混戦模様ですが、各州調査を集計した選挙人獲得予想では、クリントン候補が263人を確保し、トランプ候補は126人と、その差はまだかなり開いています。
 櫻井キャスターは、史上最低のスキャンダル候補が戦う大統領選挙後のアメリカの国内、国際情勢と日米関係にこだわります。クリントン大統領が誕生した後のアメリカはいったいどうなるのでしょうか。日米関係はどのようになるのでしょうか。また、トランプ大統領ならどうなるのでしょうか。
 外交評論家で国家基本問題研究所副理事長の田久保忠衛氏は「クリントン大統領が誕生したとしてもトランプの影響力に無関係にはなれない。両者の間に仇討のような激しい感情が残り、クリントン大統領は何事につけて強い反対に直面する。従って思い切った政策が打ち出せない」と述べ、アメリカはここぞという大事な局面で機能しなくなると指摘しました。櫻井キャスターも大統領選挙と同時に行われる連邦議会選挙に注目し「下院は共和党、上院は民主党が有利と予測されており、議会がねじれになれば、どちらが勝利したとしても両党の激しいせめぎあいを乗り越えるのは難しいだろう」と語りました。
 日本やアジアの脅威は中国ですが、アメリカやNATOの最大の脅威はロシアです。そのロシアに安倍首相が接近しています。櫻井キャスターは「安倍首相の対ロシア外交をどのように見るか。外務省ではなく経産省が主導しているが、経済協力だけでは安全保障、価値観外交など総合的な視点が欠けるのではないか」と問うと、田久保氏は「独裁国家との外交というのは、普通の国との外交とは全然違う。一夜で変えられてしまう危険性がある。終戦の際にも日本がスターリンに仲介を頼んだという失敗は外交にも活かされるべきだ」と応じました。櫻井キャスターは「12月15日の山口会談を見なければ分からないが、日本は、まず日本の立場を強くしなくてはいけない。激変する国際情勢の中でどう生き延びていくかと同時に、どの国と戦略的に結ぼうかということも大事だ。日本が強くなければきちんとした紐帯をどこの国とも結べない」と述べ、日本が強くなるためにまず憲法改正に力を注ぐべきだと強調しました。

≪動画インデックス≫
 1.どちらが勝ってもモラル・リーダーとしてのアメリカは没落する
 2.カネまみれのクリントン夫妻と「クリントン財団」
 3.アメリカの権威が地に落ちて、世界が戦後最大の変化を遂げる
 4.その隙に忍び寄るロシアと中国の脅威が拡大
 5.プーチンと仲良しはトルコのエルドアンと安倍晋三
 5.史上最低の米大統領選挙の残した傷跡は癒えない
 6.西側で起こり始めた「自国ファースト主義」
 7.結局、何もしないのがオバマ・ドクトリン
 8.連邦議会がねじれになると、勝った大統領は重要局面で決断ができない
 9.中国の脅威とバランスを取るためにロシアに接近する安倍政権
10.独裁国家との外交は普通の国との外交とは異なる
11.経産省主導のロシア外交では、安全保障、価値観外交など総合的視点が欠如
12.ロシアとの国家としての苦い経験を外交に役立てよ
13.ダイナミックな対外交を行うプレイヤーとして条件を整えるべきだ
14.世界激変の中で日本の独立を守るために憲法改正や日本人の心構えを覚醒させる

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田久保 忠衛

田久保 忠衛
外交評論家,国家基本問題研究所副理事長

1933年千葉県生まれ。早稲田大学法学部卒、時事通信社外信部長、編集局次長を経て、杏林大学社会科学部教授。アメリカ外交、国際関係論が専門、1996年第12回正論大賞受賞。現在、公益財団法人「国家基本問題研究所」副理事長、杏林大学名誉教授。著書に『ニクソンと対中国外交』、『激動する国際情勢と日本』、『新しい日米同盟―親米ナショナリズムへの戦略』、『早わかり・日本の領土問題-諸外国と何をモメているのか』など多数。

※ プロフィールは放送日2016.11.04時点の情報です

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