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闘うコラム大全集

2017.01.07号
元記者が暴露する捏造だらけの朝日新聞 そのコア読者に嫌われるのは至上の名誉

『週刊ダイヤモンド』 2016年12月31日・2017年1月7日合併号

新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1164


世界は大乱世の時代のとば口に立っている。2017年、戦後見慣れてきた国際社会の安寧と秩序が脅かされる危険がある。そのとき、日本を取り巻く国際環境を正確に読み取ることができれば、私たちは必ず問題の突破口を開き、乗り越えていける。希望的観測や過度の悲観論を横に置いて、内外の事情を虚心坦懐に分析することが欠かせない。

 

こんな時代、メディアの責任は一層重い。印象操作を加えることなく、でき得る限りの公正さで事実を伝える責任である。

 

そこで『こんな朝日新聞に誰がした?』(長谷川熙(はせがわ・ひろし)、永栄潔著、WAC)の一読をお勧めする。両氏共に朝日新聞社OBで、長谷川氏は先に『崩壊 朝日新聞』(WAC)を上梓し、鮮烈な「朝日新聞」批判で注目された。永栄氏は嫌みもけれん味も感じさせない軟らかな文章で『ブンヤ暮らし三十六年』(草思社)で新潮ドキュメント賞を受賞した。

 

両氏の対談を主軸とする『こんな朝日…』で驚くべきことが暴露されている。「週刊朝日」編集長の川村二郎氏が某日の「朝日」に載った海外のスポーツ大会を報ずる記事に疑問を抱いた。「君が代」が始まると席を立つ観客が多いと、Y編集委員が署名入りで報じた記事だ。川村氏が「あれって、本当かよ」と尋ねると、Y氏は答えた。

 

「ウソですよ。だけど、今の社内の空気を考えたら、ああいうふうに書いておく方がいいんですよ」

 

永栄氏が明かすもう1つの事実は1988年、リクルート事件に関する報道だ。「朝日」は宮沢喜一蔵相(当時)にも未公開株が渡っていたとスクープし、永栄氏の後輩記者が宮沢氏を追及。同記者は「会見で何を訊かれても、宮沢氏は『ノーコメント』で通し、その数13回に及んだ」と報じた。

 

永栄氏は「それにしても(13回とは)よく数えたな」と後輩の突っ込みを褒めた。すると彼は照れてこう言ったという。「ウソに決まってんじゃないすか。死刑台の段数ですよ」。

 

本当にひどい新聞だ。これら「朝日」の捏造記事に言及しつつ、永栄氏は自身の事例も振り返る。日朝間で問題が起きると、朝鮮学校の女生徒の制服、チマチョゴリが切り裂かれる事件が続いたことがある。そのとき永栄氏の知人がこう語った。「自分の娘を使っての自作自演なんです。娘の親は(朝鮮)総連(在日本朝鮮人総連合会)で私の隣にいた男です。北で何かあると、その男の娘らの服が切られる。『朝日』にしか載らないが、書いている記者も私は知っている」。

 

総連関係者の同人物は、この男に、娘さんがかわいそうだと忠告し、自作自演の犯行はもうやめると約束させた。そこで男に会って取材しないかと、永栄氏に持ち掛けたのだ。

 

ところが、氏は提案を即座に断った。「書かないことに対する抵抗は幸い薄かった」という。氏の感覚は、言論人にあるまじき判断だ。永栄氏の芯は「『朝日』の人」なのである。


「朝日」は14年8月、吉田清治氏関連の記事全ての取り消しに追い込まれたが、永栄氏はこう書く。


「『取り消しは不要。右翼に屈するな』という“激励”電話が2本あった」。電話の主の2人は「『朝日』が頼り」と言ったそうで、「櫻井よしこさんや西部邁氏に表現の自由など与えたくないというのが、コアな『朝日』読者の空気」だと、永栄氏は断じている。

 

こんな「コアな読者のなかでもさらにコアな、そういう人たちに占拠されて」いる「朝日」を、永栄氏は「在社中はずうっといい会社だと思っていた」「本当にいい時代を過ごせた」と振り返る。やれやれ。それにしても、「こんな『朝日』」のコアな読者に嫌われることは、言論人にとって至上の名誉だ。これからも果敢に取材し、朝日の“悪”を暴いていきたい。



櫻井よしこ


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