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Vol.526 会員限定

大使暴言・靖国冒涜 日本は中国に甘すぎる

2024.06.14 44分

令和6年6月14日金曜夜10時、第526回のゲストは評論家の潮匡人さんです。
中国の呉江浩・駐日大使は5月20日、「中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と発言しました。
林芳正官房長官は22日、「在京大使の発言としてきわめて不適切であると考えており、ただちに厳重な抗議を行った」としています。
23日、中国外務省の汪文斌報道官は大使の「火の中に連れ込まれる」という発言について次のように述べたと産経新聞が報じています。
「事実に基づいており、道理は正しく言葉は厳格で、完全に正当で必要なものだ」「最近、日本の一部の人々の間で台湾問題に関してマイナスの動きがしばしば出ており、『台湾有事は日本有事』というでたらめで危険な論調を騒ぎ立て続けている」「中国の核心的利益の中の核心で、中日関係の政治基礎に関わり、越えてはならないレッドラインだ」「もし誰かが中国の内政に干渉し、中国統一を妨害すれば、必ず重い代価を払うことになるだろう」
また、6月1日には靖国神社の石柱に英語で「トイレ」と書かれた落書きが見つかり、中国の動画投稿アプリ「小紅書(レッド)」にその様子が投稿されました。
この中国人男性は日本テレビの取材に応じて、次のように述べています。
「靖国神社はトイレだから『Toilet』と落書きした。中国語の意味は『便所』。だから落書きをする前に、便所でやるべき事をやった」「日本政府が核汚染水の排出を許可したことを知ってから、もう怒りが収まらない」「家で寝てネットで言葉を放つだけだったら、それが解決する確率はゼロ。機会があるなら試すべきだ。中国のことわざにもある。『一歩でも半歩でも積み重ねないと千里にはならない』。世界の人々が利用する海を汚すなら、私は日本人が最も崇拝する精神信仰のところでやる」(日テレNEWS、6月4日)
この事件に関して、中国外務省の毛寧報道官は3日、「靖国神社は日本軍国主義が発動した侵略戦争の精神的な道具であり象徴だ」「外国にいる中国公民は現地の法律を順守し、理性的に訴えを表現するよう注意を促したい」「侵略の歴史に関する態度表明や約束を正視、反省し、実際の行動でアジアの隣国や国際社会の信用を得るべきだ」と述べたと産経新聞が報じています。
一方、日本の上川陽子外相は4日、「わが国の関係法令に反すると思われる行為を是認、助長するような動画が作成され、拡散されるようなことは受け入れられるものではない」「外交ルートを通じ、中国政府に事案の発生に対する懸念を表明するとともに、中国国民に現地法令の順守、冷静な行動をとるよう注意喚起することを要請した」としています。
潮匡人さんに中国の暴言、靖国冒涜、日本外交について伺います。

潮匡人

潮匡人
評論家・軍事ジャーナリスト

昭和35(1960)年青森県八戸市生まれ。早稲田大学法学部卒。旧防衛庁・航空自衛隊に入隊。早稲田大学大学院法学研究科博士前期課程修了。第304飛行隊、長官官房、航空総隊司令部勤務等を経て3等空佐で退官。聖学院大学政治経済学部専任講師、防衛庁広報誌編集長、帝京大学人間文化学科准教授、拓殖大学日本文化研究所客員教授等を歴任。 アゴラ研究所フェロー。公益財団法人「国家基本問題研究所」客員研究員。NPO法人「岡崎研究所」特別研究員。著書に『安全保障は感情で動く』(文春新書)、『誰も知らない憲法9条』(新潮新書)、『日本人が知らない安全保障学 』(中公新書ラクレ) 、『護憲派メディアの何が気持ち悪いのか』(PHP新書)、『尖閣激突 日本の領土は絶対に守る』(扶桑社、山田吉彦氏との共著)など多数。

※ プロフィールは放送日2024.06.14時点の情報です

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