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Vol.547 会員限定

どうなる自民党

2024.11.08 45分

令和6年11月8日金曜夜10時、第548回のゲストは自民党元衆議院議員の長尾たかしさんです。
衆院選で大惨敗した自民党。公示前に単独過半数だった247議席から191議席へと大きく議席を減らし、与党としても215議席と過半数に届きませんでした。
振り返れば、自民党の小泉進次郎選対委員長は10月6日、東京都内の街頭演説で「衆院選で『政治とカネ』問題に決着をつける」と訴えました。また、自民党執行部は岸田文雄首相(当時、党総裁)によって不記載事件で既に処分を受けていた議員らに再び、非公認や比例代表への重複立候補を認めないという世論迎合とも言える二重処分を下しました。
自民党自身が「政治とカネ」問題を争点化して衆院選をスタートさせたと言えます。
選挙終盤には、自民党が衆院選で非公認とした候補が代表を務める政党支部に2000万円を振り込んでいたことが明らかになり、執行部がさらに大逆風を作り出しました。
これに対して自民を非公認となり、東京24区に無所属で出馬した萩生田光一氏は、「なぜ選挙期間中に支給を決定したのか。事前に連絡もなかったのか。執行部の判断に対して大変疑問を抱いている。戦っている最中に、このような報道が起こること自体、われわれにとって迷惑な話だ」と猛反発し、執行部を批判。「党勢拡大を求められているものの、無所属で活動しているため目的を達成することが困難」として即座に返金しました。
時事通信によれば、2000万円支給問題について「開いた口がふさがらない」と語った古屋圭司氏は森山裕幹事長の応援演説を拒否したことを明らかにしています
さらに、自民党執行部は10月31日、萩生田光一元政調会長と平沢勝栄元復興相を「党所属国会議員」の扱いとしないよう党内に指示したと時事通信が報じました。
〈派閥裏金問題に関わった両氏は衆院選で公認を得られず、無所属で当選。しかし、自民の衆院会派に同日入ったため、ルール上は「党所属国会議員」となるはずだった〉〈「党所属国会議員」として扱われなければ、総裁選で出馬したり議員として投票したりできず、党大会の構成員にもなれない。党内からはやむを得ないとの意見の一方、「ルールを守らない党になってしまった」(関係者)と困惑する声も出ている〉(時事通信10月31日)
一方で、石破首相は史上最長の自民党総裁選で述べた自身の主張を封じ、また前言を翻すなどした結果、時事通信の世論調査では内閣支持率28%と発足時として歴代内閣の最低支持率を更新しました。
いったい自民党はどこへ向かっているのか。長尾さんに伺います。

長尾たかし

長尾たかし
自民党元衆議院議員

昭和37年11月29日東京都生まれ。昭和61年立命館大学経営学部卒業。同年、明治生命(現・明治安田生命)保険相互会社に入社。平成21年第45回衆議院総選挙で大阪14区から民主党公認で136798票を得て初当選。平成24 年11月16日、衆議院解散直後、民主党を離党。同年衆議院総選挙に無所属で立候補。12月13日に安倍晋三総裁が選挙応援演説中に公認を表明し、自民党公認候補となるも惜敗。平成26年12月第47回衆議院選挙で2期目当選。平成29年10月、第48回衆議院選挙で3期目当選。平成30年10月、第4次安倍改造内閣、内閣府大臣政務官任命。第49回衆議院選挙で議席を失った。 自民党副幹事長、内閣府大臣政務官、外務委員会理事、厚生労働委員会理事、自民党厚労部会外交部会長代理、憲法審査会委員、拉致問題特別委員会理事、日本の尊厳と国益を護る会副代表。領土議連事務局長、日本会議国会議員懇談会事務局次長、日華議員懇談会幹事などを歴任。尖閣諸島への漁業活動は通算5回に及び、中国公船の危険行為を自らの目で確認。著書に『永田町中国代理人』(産経新聞出版)など。

※ プロフィールは放送日2024.11.08時点の情報です

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