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Vol.509 会員限定

金正恩・能登見舞いの謎

2024.02.16 46分

令和6年2月16日金曜夜10時、第509回のゲストは早稲田大学名誉教授の重村智計さんです。
能登半島地震を受け、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記から1月5日、岸田文雄首相宛に見舞いの電報が送られてきました。党の機関紙である労働新聞が6日、「被災地の人々が一日も早く地震被害から復旧し、安定した生活を取り戻せるよう祈る」とする全文を2面で報じました(産経ニュース、1月6日)。電報は、岸田首相を「閣下」と呼称したということです。
林芳正官房長官は6日の記者会見で、「各国・地域からお見舞いのメッセージを受け取っており、日本政府として感謝している。金委員長からのメッセージについても感謝の意を表したい」と述べました(産経ニュース、1月6日)。
阪神淡路大震災の際には、当時の村山富市首相宛に北朝鮮の姜成山首相(当時)から見舞いのメッセージが届き、日本政府も後に返礼のメッセージを送っていますが、北朝鮮の最高指導者から見舞いメッセージが送られた近年の例はないということです。
外務省は1月25日の自民党会合で、北朝鮮最高指導者が日本の首相の敬称に「閣下」を使ったのは初めてとの見解を示しました。担当者は「米国のトランプ前大統領への使用例はあるが、日本の首相に対しては初めてではないか」と説明したということです。
この見舞い電報に関して、岸田首相は2月5日の衆院予算委員会で、日本人拉致問題解決に向けた日朝交渉を進める観点から、金氏の意図を慎重に分析する考えを強調し「このメッセージに対してどう考えるか、的確な対応が求められる」と述べたということです(産経ニュース、2月5日)。
北朝鮮は何を考えているのか。いまどういう状況なのか。重村さんに伺います。

重村智計

重村智計
早稲田大学名誉教授

1945年中国遼寧省生まれ。鹿児島県沖永良部島出身。69年早稲田大学法学部卒業後、毎日新聞社に入社。79年ソウル特派員、89年ワシントン特派員、94年毎日新聞論説委員などを歴任。この間、韓国・高麗大学と、米国・スタンフォード大学に留学。退社後は拓殖大学国際開発学部教授、早稲田大学国際教養学部教授を歴任。最新刊に『日韓友好の罪人たち』(風土デザイン研究所)、ほかに『金正日の後継者』『北朝鮮はなぜ潰れないのか』(以上、KKベストセラーズ)、『金正日の正体』『朝鮮半島「核」外交』『外交敗北─日朝首脳会談と日米同盟の真実』(以上、講談社)など多数。

※ プロフィールは放送日2024.02.16時点の情報です

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