５月１日金曜夜10時、第50回のゲストは、バイオジェニック株式会社社長の渡部政博さんです。
健康食品などの原料を生産・販売するバイオジェニックは、天然化学物質のアスタキサンチンを大量に培養するプラント工場を中国・昆明に建設しました。が、その中国での事業展開のために中国人女性・Ｚ（当時36歳）を雇用したことから技術情報が盗まれる事態となります。
バイオジェニックは、証券会社で働いていた一橋大学卒の中国人女性Ｚを、知人からの紹介で雇用しました。Ｚは経歴だけでなく、母親が中国の有名なバレーボール選手だったこともあり、中国の政財界に幅広い人脈があったといいます。そのため、プラント工場の設立は成功し、Ｚは現地法人の取締役副社長に抜擢。
現地法人は順調で、Ｚの紹介で、四川大学生物科学科出身のＰ（当時23歳）を雇い、続いてその同級生Ｒも雇用しました。真面目で熱心な彼らを現地法人幹部はかわいがり、家族ぐるみのつき合いをしながら、あますことなくノウハウを伝授したところ……。
数年するとＺらは転職するといって退社し、気がつくと昆明郊外に、外観もウリ二つのコピー工場ができていた！
また、アスタキサンチンの実用新案が４件、申請されていおり、それらはバイオジェニックの技術。さらに、その工場でつくられたアスタキサンチンを日本で販売する企業の社長はなんとＺが務めていた！
秘密保持契約もきっちりと結んでいたバイオジェニックから、彼らはどのように情報を盗んだのか。
バイオジェニックは中国で裁判を起こし、結果、勝訴しますが、実用新案を出されて技術情報はオープンになってしまい、コピー工場は止まっておらず被害を受け続けています。
「原告と被告は生きている世界が違った」
これが、その裁判中に行われた不可解な彼らの言動、平気でウソをつくさまに、バイオジェニックがもった感想です。
リアルな「中国人のやり方」を、お伺いします。

渡部 政博
バイオジェニック株式会社社長

1958年東京都大田区生まれ。バイオジェニック㈱代表取締役、昆明白鴎微藻技術有限公司董事長。東海大学工学部卒業後、81年荏原実業（株）入社、04年執行役員マリーン＆アクアグループ長、官公庁向け水棲生物増養殖水処理施設の建設に携わりながら、03年微細藻類培養生産技術をもとに微細藻類由来有用物質生産販売を目的に連結子会社バイオジェニック（株）を設立。R&Dを経て05年独資で中国雲南省昆明市郊外に抗酸化力に優れたアスタキサンチンを生合成するヘマトコッカス藻大量培養プラントを稼働。06年からバイオジェニックに出向専任BtoB販売開始、12年荏原実業とMBO契約を締結し分離独立。

※ プロフィールは放送日2015.05.01時点の情報です