4・14熊本地震から2週間が経ちました。余震は相変わらず続き、大分では4月29日に震度5強を記録する地震もありました。一方で、復興は九州新幹線に続き九州道も全線開通し、仮設住宅の建設にも着手しました。ここまでの政府と県の取り組みの速度や概要を“髭の隊長”こと佐藤正久参議院議員と共に検証しました。
対談で櫻井キャスターが「今回の熊本地震の対応で、憲法に緊急事態条項があればその対応を改善できたか」と質問すると、佐藤氏は「県や市町村など自治体が十分に対応できない発生直後には、国が前面に立って、水、食料、医薬品を届けるような仕組みが必要だ」と語りました。櫻井キャスターは「現行法規でもやれることはあるが、必要なこと全てがなされてきた訳ではない。現在の法律を超えて強いリーダーシップを発揮しなければならない時もある」と指摘、佐藤氏は「法律は何々をすることができると書かれているので“隙間”が出るが、最高法規で緊急事態条項があれば“隙間”があっても緊急性を出せる」と緊急事態条項の必要性を強調しました。
緊急事態条項をめぐる議論は、東日本大震災発生後には大いに盛り上がり、共産、社民両党を除く野党は容認の立場を示していました。しかし、この夏の参院選が近づくにつれて与野党間の議論が進む気配がなくなりました。民進党の岡田代表は緊急事態になれば首相が政令で法律を履行でき、ナチスが権力を取る過程と同じなどと相変わらずのレッテル貼りです。
東日本大震災、震度7が2度続いた熊本地震、そして予想される首都圏直下や南海トラフなどの大地震に加え、ISなどのテロ事件、中国の尖閣への侵出、北朝鮮のミサイルなど我が国を取り巻く脅威は現実のものになっています。このような緊急時に国民の安全を守るため、憲法に緊急事態条項を定めておくことが必要ではないでしょうか。
≪動画インデックス≫
1.熊本地震発生10分後に早くも安倍総理指示が出た
2.本震のあった日に米国から日本政府に支援打診、オスプレイを輸送支援で投入
3.熊本県の被災者は15万人想定だったが17万人が被災、避難
4.避難指定場所の半分が使えなくなり、熊本県庁の1階ロビーが荷物集積場になった
5.情報は陸自西部方面隊総監部がバイクやジープなど機動力で集めてきた
6.自衛隊は熊本地震の他に北朝鮮ミサイル、尖閣、サミットで4正面対応をしていた
7.緊急事態条項があれば熊本地震対応を改善できたか
8.熊本地震は現行法規内で対応できていたか
9.地震の復興ステージでは自治体が正面にでるべきだ
10.東日本大震災で知事たちは法律による「制限」ではなく「権限」が欲しいと語った
11.熊本城など文化財は激甚災害に指定できない
12.憲法改正して緊急事態条項を入れるべきだ
※Edgeブラウザではスキップ機能を利用できない場合がございます。Chrome/Firefox/Safariブラウザではスキップが可能です。
※プロバイダや使用場所によっては再生が途切れる場合がございます。動画が停止した場合、ブラウザの更新ボタンを押してください。
佐藤 正久
参議院議員
1960年福島県生まれ。1983年防衛大学校卒業、陸上自衛官として国連PKOゴラン高原派遣輸送隊初代隊長、イラク先遣隊長、復興業務支援隊初代隊長などを歴任。2007年に退官し、同年参議院議員(全国比例区)に初当選、2012年防衛大臣政務官、現在外交防衛委員会理事、自民党参議院政策審議会副会長。無意不立(国民の政治への信頼なくしては国が成り立たない)が座右の銘、風貌から「ヒゲの隊長」として親しまれている。著作に『ヒゲの隊長のリーダー論』、『守るべき人がいる』、『ありがとう自衛隊 ヒゲの隊長が綴る日本再興奮』など。
※ プロフィールは放送日2016.04.29時点の情報です