過去の放送

Vol.186 一般公開

内部情報から探る習近平の本当の実力

経済・権力拡大・軍事改革はどれ程進んだか

2016.05.13 65分

 中国情報に強いジャーナリスト富坂聰氏の久々の登場です。対談の冒頭で、富坂氏は「パナマ文書」の中国国内での影響について「あまり影響はありません。習近平だけ資産隠しをやっていれば突出するが、みんながやっていることを国民は知っています」と述べました。
 今回の対談は、富坂氏の中国内部情報から習近平主席の本当の実力はどこまであるのかを探ります。習近平主席の新しい経済への進出、権力の拡大、軍事改革は一体どこまで進んだのでしょうか。
 習近平主席の凄まじい権力集中について櫻井キャスターは「習近平はどのような権力を持っていて、どうやって手に入れたのか」と問いますと、富坂氏は日本の官房長官に近い中央弁公庁主任ポストの重要性を指摘し「このポストには同じ派閥の若手有望株をもってくるが、習近平は自分と同じ政治キャリアを持って、若い頃に酒を飲み交わした栗戦書(りつ せんしょ)を据えた」と習金平主席の人事の妙を称賛しました。さらに富坂氏は習近平主席が作った「全面深化改革領導小組」というタスクフォースをあげ、「習近平直轄のチームが既存の組織を中抜きして、リーダーシップを取る形を作り上げた」と組織改革の巧みさも指摘しました。さらに、軍事改革について富坂氏は「陸海空軍の連携を戦区で出来るような体制を作り、旧ソ連型の軍隊を西側的に変えた」と語りました。櫻井キャスターは「陸軍中心から海軍に、そして陸海空三軍と戦略ミサイルなどが一体的に統合運用出来るようにした」と軍事改革の意図を説明しました。
 対談では櫻井キャスター、富坂氏双方から中国内部情報が次々と披露され、櫻井キャスターが「時間が短かった」と語るほど闊達な議論が展開されました。

≪動画インデックス≫
 1.中国国内での「パナマ文書」の影響はほとんどない
 2.中国経済は「困難と希望が同居する」
 3.日本は金持ちになってから老人になり、中国はなる前に老人になった
 4.都会の地下に棲む「ドブネズミ族」と「アリ族」に実態
 5.過剰な生産を吸収できる中国経済の成長が止まった
 6.共産党の力で人工的にゾンビ企業を潰す世界初の試み
 7.土煙の向こうに見えてきた希望はAI(人工頭脳)への挑戦
 8.習近平は中央弁公庁主任(官房長官)に自分と同じ政治キャリアの栗戦書を据えた
 9.習近平直轄の「全面深化改革領導小組」が既存組織を中抜きし政策決定を行う
10.官僚は「靴を汚したくなければ歩かないことだ」と抵抗サボタージュ
11.軍事改革は陸軍中心から海軍に、陸海空三軍と戦略ミサイルの統合運用

Edgeブラウザではスキップ機能を利用できない場合がございます。Chrome/Firefox/Safariブラウザではスキップが可能です。

プロバイダや使用場所によっては再生が途切れる場合がございます。動画が停止した場合、ブラウザの更新ボタンを押してください。

富坂聰

富坂聰
ジャーナリスト

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系中退。「週刊ポスト」「週刊文春」記者を経てフリーライター。1994年『龍の伝人たち』で21世紀国際ノンフィクション大賞優秀賞を受賞した。現在、様々な雑誌メディアへの執筆、テレビコメンテーターなどで活躍中。著書に『中国の地下経済』『中国マネーの正体』『習近平と中国の終焉』『間違いだらけの対中国戦略』など多数。

※ プロフィールは放送日2016.05.13時点の情報です

言論テレビ 会員募集中!

生放送を見逃した方や、再度放送を見たい方など、続々登場する過去動画を何度でも繰り返しご覧になることができます。
詳しくはこちら
Instagramはじめました フォローはこちらから

アップデート情報など掲載言論News & 更新情報

週刊誌や月刊誌に執筆したコラムを掲載闘うコラム大全集

  • 異形の敵 中国

    異形の敵 中国

    2023年8月18日発売!

    1,870円(税込)

    ロシアを従え、グローバルサウスを懐柔し、アメリカの向こうを張って、日本への攻勢を強める独裁国家。狙いを定めたターゲットはありとあらゆる手段で籠絡、法の不備を突いて深く静かに侵略を進め、露見したら黒を白と言い張る謀略の実態と大きく揺らぐ中国共産党の足元を確かな取材で看破し、「不都合な真実」を剔抉する。

  • 安倍晋三が生きた日本史

    安倍晋三が生きた日本史

    2023年6月30日発売!

    990円(税込)

    「日本を取り戻す」と叫んだ人。古事記の神々や英雄、その想いを継いだ吉田松陰、橋本左内、横井小楠、井上毅、伊藤博文、山縣有朋をはじめとする無数の人々。日本史を背負い、日本を守ったリーダーたちと安倍総理の魂と意思を、渾身の筆で読み解く。

  • ハト派の嘘

    ハト派の噓

    2022年5月24日発売!

    968円(税込)

    核恫喝の最前線で9条、中立論、専守防衛、非核三原則に国家の命運を委ねる日本。侵略者を利する空論を白日の下にさらす。 【緊急出版】ウクライナ侵略、「戦後」が砕け散った「軍靴の音」はすでに隣国から聞こえている。力ずくの独裁国から日本を守るためには「内閣が一つ吹っ飛ぶ覚悟」の法整備が必要だ。言論テレビ人気シリーズ第7弾!