過去の放送

Vol.266 一般公開

戦略特区WGの「若き主役」が叫ぶ真実

岩盤規制で甘い汁を吸った既得権団体の暗部

2017.11.24 61分

 林文科大臣は11月14日、国家戦略特区を使った規制緩和によって愛媛県今治市に獣医学部の新設を認可したと発表しました。野党とメディアは、新しい事実を全く取り上げることができずに、認可の発表後も文科省の専門委審議には「反対が強くあった」「留保すべきだった」と相変わらずの追及を繰り返しています。
 獣医学部の新設に力を注いできたのは、「国家戦略特区ワーキンググループの民間委員」です。彼らこそ52年間の文科省や獣医師会の岩盤規制を怒り、改革の努力を重ねてきました。座長代理の原英史氏は「野党やメディアは、国家戦略特区と新しい学部認可という違うプロセスを混同して議論している。『石破4条件』は2015年に成長戦略を閣議決定する際の1項目に入っていたが、それが決定されて2016年に獣医学部の新設を認める規制改革をやることになった。この4条件を満たした結果として規制改革が実現したのだから、4条件の話はその段階で終わっている」と語り、前川前文科次官などの批判を一蹴しました。
 次のプロセスとなる文科省の大学設置審議会について櫻井キャスターは「獣医師会の影響が強く、もともと反対の立場だった専門委員達が認可しても良いという結論を出したのはなぜか」と尋ねました。原氏は「加計学園側の改善意見に専門委員の中で十分ではないという意見があったかもしれないが、認可してはいけないという程のことはないとして合意したのではないか。正式なプロセスでOKと決めたのだから、今更結論がおかしいというのは行政を歪めることになる」と指摘しました。
 櫻井キャスターは対談の最後に、原氏が現在取り組んでいる改革を尋ねました。「規制改革推進会議の委員で、電波の割当制度を担当している」と原氏が答えると、櫻井キャスターの目がこれは得たりばかりに輝きました。櫻井キャスターは「それは面白い。私は政府による電波の割り当てを開放し、オークション制度に変えようと言ってきましたが、今度はこのテーマで対談しましょう」と語りました。

≪対談で語られた論点≫
 1.朝日新聞がモリカケで小川榮太郎氏らに申し入れ書乱発
 2.「戦略特区」と「学部新設」プロセスは全く別
 3.専門委員会メンバーは獣医師会関係者ばかり
 4.「4条件」は戦略特区プロセスでとっくにクリア
 5.大学設置審議会は議事録のないブラックボックス
 6.審議員さえ分からない文科省の大学設置システム
 7.非公開審議をテレビに匿名でリークする専門委員
 8.獣医師会に近い専門委員がなぜ新設を認可したのか
 9.政府は批判されても当然で自分もその一部、メディア批判はしない
10.政府による電波割り当てを解放し、オークション制度に変えよう

Edgeブラウザではスキップ機能を利用できない場合がございます。Chrome/Firefox/Safariブラウザではスキップが可能です。

プロバイダや使用場所によっては再生が途切れる場合がございます。動画が停止した場合、ブラウザの更新ボタンを押してください。

原 英史

原 英史
国家戦略特区ワーキンググループ委員

1966年東京都生まれ。東京大学法学部卒業、シカゴ大学大学院修了。通商産業省(現・経済産業省)入省後、中小企業庁制度審議室長、規制改革・行政改革担当大臣補佐官などを経て退職。2009年に株式会社政策工房を設立。大阪府・市特別顧問(2011年~)、内閣府・国家戦略特区ワーキンググループ委員(2013年~)、社会保障審議会年金事業管理部会委員(2015年~)、規制改革推進会議委員(2016年~)、NPO法人万年野党理事なども務める。著書:『日本人を縛りつける役人の掟/岩盤規制を打ち破れ』(小学館、2014年)、『国家と官僚』(祥伝社新書、2015年)など

※ プロフィールは放送日2017.11.24時点の情報です

言論テレビ 会員募集中!

生放送を見逃した方や、再度放送を見たい方など、続々登場する過去動画を何度でも繰り返しご覧になることができます。
詳しくはこちら
Instagramはじめました フォローはこちらから

アップデート情報など掲載言論News & 更新情報

週刊誌や月刊誌に執筆したコラムを掲載闘うコラム大全集

  • 異形の敵 中国

    異形の敵 中国

    2023年8月18日発売!

    1,870円(税込)

    ロシアを従え、グローバルサウスを懐柔し、アメリカの向こうを張って、日本への攻勢を強める独裁国家。狙いを定めたターゲットはありとあらゆる手段で籠絡、法の不備を突いて深く静かに侵略を進め、露見したら黒を白と言い張る謀略の実態と大きく揺らぐ中国共産党の足元を確かな取材で看破し、「不都合な真実」を剔抉する。

  • 安倍晋三が生きた日本史

    安倍晋三が生きた日本史

    2023年6月30日発売!

    990円(税込)

    「日本を取り戻す」と叫んだ人。古事記の神々や英雄、その想いを継いだ吉田松陰、橋本左内、横井小楠、井上毅、伊藤博文、山縣有朋をはじめとする無数の人々。日本史を背負い、日本を守ったリーダーたちと安倍総理の魂と意思を、渾身の筆で読み解く。

  • ハト派の嘘

    ハト派の噓

    2022年5月24日発売!

    968円(税込)

    核恫喝の最前線で9条、中立論、専守防衛、非核三原則に国家の命運を委ねる日本。侵略者を利する空論を白日の下にさらす。 【緊急出版】ウクライナ侵略、「戦後」が砕け散った「軍靴の音」はすでに隣国から聞こえている。力ずくの独裁国から日本を守るためには「内閣が一つ吹っ飛ぶ覚悟」の法整備が必要だ。言論テレビ人気シリーズ第7弾!