元気になるメルマガ

  • 2012.11.02
  • 一般公開

党内融和よりもっと大事なものがある

 長島昭久防衛副大臣は驚くほど率直でした。ここまで踏み込めば党内に軋轢が生じることも予想される副大臣発言は、いま民主党にとっても、また日本にとっては尚更、党内融和よりもっとずっと大事なことがある、それをしなければ日本はつぶれるかもしれないという危機感があるからでしょう。

 日本はいま国難の中にあります。異常な軍拡で膨張しようとする中国の野望の前で、日本よりはるかに小さな南シナ海沿岸の、或いは中国近隣のアジアの国々でさえ懸命に自主独立を守り通すべく自助努力をしています。そうした東南アジアの国々に比べてはるかに強大な力と強い経済をもつ日本なのになぜそれができないのか。野田首相はなぜ動こうとしないのか。

 私の率直な問いに長島さんは、首相は単に政権の延命をはかっているのではない、大事な課題を自分の手で解決するために機を窺っているのだと擁護しました。ただ、首相の想いが政策に反映されず、行動に移されていないのは、党内の強い反対勢力ゆえだとも語りました。反対勢力の中心が輿石東幹事長と岡田克也副総理であるとも述べました。

 党内実力者の反対が強いとしても、野田首相は自分の信念が正しいと思うのなら、それを貫徹させるべく力を尽くさなければなりません。そこのところが、国民の目には見えてこないのが現実です。

 繰り返し強調したいと思います。いま日本は危機の真っ只中にあるのです。

 その危機を立派に乗り越えるために、中国とのせめぎ合いを、日中二国間関係の枠組みでだけ見るのでなく、米国をはじめとするアジア・太平洋諸国全体の状況を見て大局に立つことが重要です。

 中華人民共和国の六十数年の歩みを見れば、中国共産党の路線は決して変わらないことがわかります。だからこそ、しっかり国の守りを固めることです。

 防衛副大臣として長島さんは、喫緊の課題として防衛予算を増額し、防衛力を強化し、海上保安庁も強化すること、党内から反対があっても、日米安保体制をさらに強化することを掲げました。また日本の戦後体制を見直して、憲法改正に着手する必要性にも言及しました。

 日本が自国の運命に責任を持たない国になったのは戦後のことです。元凶は憲法にあります。この点で長島さんと私の意見は一致しました。

 堂々と発言した長島さんに敬意を表すものです。


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