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Vol.593 会員限定

【最終盤・自民党総裁選】「石破路線」継承か否か

2025.10.03 44分

令和7年10月3日金曜夜10時、「花田編集長の右向け右」第593回は産経新聞論説委員兼政治部編集委員の阿比留瑠比さんです。
9月22日から行われてきた自民党の総裁選が最終盤、10月4日に開票が行われます。この総裁選では、林芳正官房長官と小泉進次郎農相が「石破路線」継承を明らかにしています。
阿比留さんは日本記者クラブ主催の討論会について次のように産経新聞に書いています。
〈小泉氏と林芳正官房長官が石破茂首相の路線を継承すると主張していることに対しては、記者クラブから「失敗して退陣せざるを得なかった石破政権を継承するのは、これはいかがなものか」との質問も飛んだ。
衆院選、東京都議選、参院選と3度にわたり国民に「ノー」を突きつけられた石破路線を継承するといわれると、ブラックジョークかまた選挙に負けたいのかと疑わざるを得ない〉(産経新聞「阿比留瑠比の自民党総裁選討論会観戦記」2025/9/25)
石破茂首相が総裁戦後に出すとしている「戦後80年見解」について、小泉進次郎氏は「首相から説明を受けたわけではなく、現時点で論評する材料は持ち合わせていない」、林芳正氏は「予断をして申し上げることは差し控えたい」としています。
一方で、高市早苗前経済安保相は産経新聞のインタビューで「戦後70年談話がベストだ。今、新しいメッセージは必要ない」とし、茂木敏充前幹事長は報道各社のインタビューで「歴史認識等は70年談話で区切りがついている」、小林鷹之元経済安保相は記者団に「(見解を)出す必要性は乏しい」と語っています。
また、『週刊文春』が小泉進次郎氏の陣営の「ステマ(ステルスマーケティング)」について報じ炎上しています。小泉陣営が、動画配信サービス「ニコニコ動画」に小泉氏を称賛するコメントを投稿するよう要請するメールを送っていたという報道に、陣営が事実関係を認めました。
メールを送ったのは小泉陣営の広報班長を務め、党広報本部のネットメディア局長であり、今回の総裁選の偽情報問題対策の責任者である牧島かれん元デジタル相の事務所です。
小泉陣営が示した24の例文は、「ようやく真打ち登場!」「これは本命候補でしょ!」「あの石破さんを説得できたのスゴい」という「絶賛」例から、「ビジネスエセ保守に負けるな」など高市早苗氏を下げるようなものもあったと報じられています。
小泉陣営で「総務・広報班」班長を務める牧島かれん元デジタル相は9月26日に班長を辞任したということですが他党からも批判が出始めています。
小泉陣営のステマ問題に関し、国民民主・玉木雄一郎代表は「自民党は国政選挙でもステマを?」、榛葉賀津也幹事長は「この問題は、そう軽くないよ」と発信しています。
9月25日に日本テレビはが報じた「党員、党友と答えた方を対象にした独自の電話調査」では、「誰を支持するか」で1位は高市早苗氏で34%、続いて2位が小泉進次郎氏28%、以降は林芳正氏17%、小林鷹之氏5%、茂木敏充氏4%となっています。
メディアの報道では高市早苗氏と小泉進次郎氏にほぼ絞られ、決選投票になると見られていますが、ステマ問題は党員や議員にどの程度の影響を与えたのでしょうか。
石破茂首相の下で選挙に大敗し、大きく議席を失った自民党。「石破路線」の継承か否か、大きな分かれ目に来ています。最終盤の状況を阿比留さんに伺います。

阿比留瑠比

阿比留瑠比
産経新聞論説委員兼政治部編集委員

1966年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。90年、産経新聞社入社。仙台総局、文化部、社会部を経て、98年から政治部。首相官邸、自由党、防衛庁、自民党、外務省などを担当し、首相官邸キャップ、外務省兼遊軍担当などを歴任。2013年、政治部編集委員。15年、論説委員兼政治部編集委員。 著書に『だから安倍晋三政権は強い』『偏向ざんまい GHQの魔法が解けない人たち』『破壊外交 民主党政権の3年間で日本は何を失ったか』『決定版 民主党と日教組』(いずれも産経新聞出版)、『総理の誕生』(文藝春秋)、『政権交代の悪夢』(新潮新書)など。

※ プロフィールは放送日2025.10.03時点の情報です

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