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Vol.442 一般公開

円安は損か得か

2022.11.04 48分

令和4年11月4日金曜夜10時、第442回のゲストは嘉悦大学教授の髙橋洋一さんです。
円安が進む中、「国力低下の反映」「日本が安い国になった」などという金融緩和政策を否定的にみる論調が増えています。
髙橋さんは、〈国内総生産(GDP)をドル換算し、日本のランキングが下がったことで「日本は安い国」といい、円安を悪いものとして煽る論調もある。しかし、これまでの円高・デフレで成長が阻害された結果を表していると見たほうがいい〉と指摘。
〈金融緩和否定論者は、結局デフレ・円高論者でもある。そうした人たちは、金融政策が雇用政策であることも無視して雇用にも配慮がない。デフレや円高では苦しむ人が多くなり、国民全体の給与を意味するGDPも縮小気味だが、勝てる人も一握りいる。勝者は、苦しむのは能力のせいだと主張しがちだ〉 として、官僚、学者、マスコミにそのような考えの人が少なくないと述べています(共に、zakzak2022年10月28日)。
また、政府は10月28日に総合経済対策を閣議決定しました。
補正予算は29兆円となります。
朝日新聞は社説「経済対策決定 財政規律の喪失を憂う」(2022年10月29日)で次のように批判しています。
〈政策の優先順位や将来世代への負担を脇におき、総額を膨らませれば支持が得られるだろうという発想なら、次元の低さにあきれるばかりだ。
 英国では、トラス前首相が打ち出した大型減税策で金融市場が混乱した。財政規律に対する信認が失われれば、市場が制御できなくなることを肝に銘じる必要がある〉
髙橋洋一さんに円安、政府の総合経済対策について伺います。

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髙橋洋一

髙橋洋一
嘉悦大学教授

(株)政策工房会長、嘉悦大学教授。1955 年、東京都生まれ。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。80 年、 大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンス トン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、 内閣参事官(首相官邸)などを歴任。小泉純一郎内閣・第1次安倍晋三内閣で経済政策のブレーンとして活躍。著書に『さらば財務 省!』(講談社、第 17 回山本七平賞受賞)、『マスコミと官僚の「無知」と「悪意」』『日経新聞と財務省はアホだらけ』(田村秀男氏との共著、共に産経新聞出版)、『「消費増税」は嘘ばかり』 (PHP新書) 、『図解 統計学超入門』(あさ出版)など多数。

※ プロフィールは放送日2022.11.04時点の情報です

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