闘うコラム大全集

  • 2017.07.01
  • 一般公開

間違いなく波紋呼ぶ韓国映画「軍艦島」 闘い止めれば捏造された歴史が定着する

『週刊ダイヤモンド』 2017年7月1日号

新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1188
 


6月15日、映画監督、柳昇完(リュ・スンワン)氏がソウルで記者会見を開いて映画「軍艦島」の完成を報告した。7月26日封切りと伝えられる同作品の内容は、かねて日本側が懸念していたように強い反日要素満載のようだ。


韓国紙「中央日報」は、同映画は「軍艦島に強制徴用された朝鮮人たちが命がけで脱出を図ろうとする過程を描い」たと伝えた。柳氏は強制徴用された多くの朝鮮人の苦しみを「映画的想像力を加味し」「現在の韓国映画で作りえる極限ラインに挑戦し」たと語る。


韓国外務省は同作品を韓国の総人口、5000万人中少なくとも1000万人に加えて、広く国際社会の人々が見ると予測する。配給会社側は2000万人以上の観客動員を目指すとし、韓国では、日本糾弾のためにも映画は「絶対にヒットさせなければならない」という声が上がっている。


周知のように軍艦島は長崎市にあり、「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録された。韓国側が主張するような「多くの朝鮮人が強制徴用された」事実も、朝鮮人を奴隷扱いし虐待した事実もない。


にもかかわらず、韓国側は軍艦島は朝鮮人労働者に奴隷労働と苛酷な死を強いた島だという捏造話を喧伝し、国際社会にも流布してきた。そうした情報に基づいて書かれた記事のひとつが「南ドイツ新聞」の2015年7月6日の電子版記事である。


同記事は、(1)端島(軍艦島)では強制労働者が苦しめられた、(2)大戦中、日本人労働者は安全な場所に移され、中国と韓国の強制労働者が働かされた、(3)中国と韓国の強制労働者1000人以上が島で死んだ、(4)死体は海や廃坑に捨てられた、などと報じている。


この記事を掲載した南ドイツ新聞に対して、かつて軍艦島で暮し、働いていた島民が「真実の歴史を追求する端島島民の会」を設立し、抗議の声を上げた。今年1月23日のことだ。


「島民の会」の皆さんは多くが高齢者だ。炭坑が閉鎖され島が無人島になる1974年までそこに住んでいた。この方たちは、自らの体験と今も大事に保存している資料などに基づいて正確に、旧島民の実生活を発信して誤解を解きたいと願っている。


南ドイツ新聞に彼らは次のように書き送った。端島では、「朝鮮人も日本国民として」「家族連れも単身者も同じコミュニティで仲良く暮していた」、「朝鮮の女性たちはチマチョゴリを着て、楽しく民族舞踊を踊った」、「朝鮮人の子供も日本人の子供も一緒に机を並べ、学校生活を送った」、さらに「炭坑内に入るときは、日本人坑夫だけの組や、日本人と朝鮮人坑夫の混成組があった」、「中国人は石炭の積み出しなど坑外作業に従事していた」、と。


そのうえで断言している。「旧島民の誰も反人道的な行為を見聞していない。端島に住んでいる日本人の婦人や子供らに知られずにそのような反人道的行為をすることは、端島の狭さや居住環境等から見て絶対に不可能だ」。


南ドイツ新聞が報じた(1)は事実と異なる。第一、出身民族にかかわらず、全員にきちんと賃金が払われていた。(2)は根拠のない出鱈目。(3)が事実なら日本人を含む当時の端島の全人口の4分の1が死亡したことになる。島では一人の死さえ皆で悼んだ。「強制労働者1000人以上の死」の根拠は示されず、(4)は実に悪質な虚構だ。


彼らは1か月以内に訂正記事の掲載を求めたが、5月23日の抗議からやがてひと月になろうとする6月21日現在、全く反応がない。


韓国映画「軍艦島」は間違いなく大きな波紋を呼ぶ。日本にとってはまさに「濡れ衣の夏」「地獄の夏」になるだろう。私たちは事実を示しつつ、果敢に闘い続けるしかない。その努力をやめた途端に、捏造された歴史が定着するからだ。外務省に闘う気はあるか。

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