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Vol.554 会員限定

ナベツネなき「読売新聞」はどうなる

2024.12.27 48分

令和6年12月27日金曜夜10時、第554回のゲストはノンフィクション作家の下山進さんです。
読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄氏が19日、98歳でお亡くなりになりました。読売新聞によれば、11月末まで定期的に出社し、亡くなる数日前にも社説の原稿に目を通して点検するなど、最後まで主筆として執務を続けたということです。
読売新聞は続けてこう書いています。
〈全国紙としての基礎を確立し、発行部数を日本一、世界一に押し上げて「販売の神様」と称された故・務台光雄名誉会長の下で経営を学んだ。渡辺氏の社長在任中、読売新聞の発行部数は1994年、初めて1000万部を突破した。2001年1月には、1031万91部の最高部数も達成している〉
下山さんは2019年、読売、日経、ヤフーを中心にメディアの興亡を圧倒的な取材で描いたノンフィクション『2050年のメディア』(文藝春秋)を上梓されましたが、その序章は「読売はこのままでは持たんぞ」です。
新年の賀詞交換会で毎年社員に対して「読売の経営は盤石」であると話してきた渡辺氏が2018年は違った。務台光雄と正力松太郎の確執について詳しく話した後、「読売はこのままでは持たんぞ」と述べたことを下山さんは序章に書いています。また、渡辺氏はそう述べた後、社のために正しいと思うことがあれば、「社長をぶっ殺すぐらいの気概で」やれと発破をかけた、とも。
渡辺氏亡き後の読売新聞はどうなるのか。
選挙にも影響を与えるほどSNSが台頭する中、既存メディアはどうあるべきか、どのように変化していくのか。下山さんに伺います。

下山進

下山進
ノンフィクション作家

1986年早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1993年コロンビア大学ジャーナリズムスクール国際報道上級課程修了。文藝春秋で長くノンフィクションの編集者をつとめた。2020年3月より2ページのコラムを「サンデー毎日」→「週刊朝日」→「AERA」で連載中。上智大学新聞学科非常勤講師。元慶應義塾大学総合政策学部特別招聘教授。 『アルツハイマー征服』(KADOKAWA、2021年)で、「レカネマブ(BAN2401)」の開発にいたる30年の研究史が大きな話題に。2023年8月に新章を加え文庫化(角川文庫)。他の著書に『アメリカ・ジャーリズム』(1995年、丸善)、『勝負の分かれ目』(KADOKAWA 、2002年)、『2050年のメディア』(文藝春秋、2019年)、『2050年のジャーナリスト』(毎日新聞出版、2021年)。

※ プロフィールは放送日2024.12.27時点の情報です

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