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Vol.189 一般公開

広島に和解が、沖縄には対立が残った

あの抱擁は日米関係が深化する起点になるか

2016.06.03 64分

 被爆地・広島を訪れたオバマ米大統領は、当初数分間と言われた声明を17分間に延ばし、世界に向けて核廃絶を訴えました。オバマ大統領は、当初対話するかどうかわからなかった被爆者の坪井直さんの手を握り締め、涙を流す森重昭さんをそっと抱き寄せました。この抱擁こそ、今後の日米関係を一層深化させる起点となるのかもしれません。
 対談の中で櫻井キャスターは、このシーンの感想を「オバマ大統領と被爆者の心の交流はとても感動しました。しかし、これでいいのかなという思いが私の中で一瞬よぎった。オバマ物語はプラハの核廃絶演説で始まり、広島で完結した。でも私は無責任ではないかと」と問題を提起すると、青山繁晴氏は「現実の政治家としてオバマ大統領は核兵器については負の遺産を残しているのではないか。オバマ大統領は偽善者だという批判があるが、その言い方はまだ優しい言い方です」と答えました。青山氏は「オバマ大統領が広島スピーチで使ったour own moral awakening は、米国人に向けて原爆投下の道義的責任に目覚めよというメッセージです」と分析すると、櫻井キャスターも「事実上のオバマ大統領の謝罪と受け止める余地があった」と青山氏の分析を補足しました。
 日本の新聞各紙の世論調査がオバマ大統領の広島訪問に90%以上の好感を示し、広島では「和解」を迎えたものの、日米首脳会談の重要議題に発展した沖縄の米軍軍属による女性遺棄事件は、基地問題を抱える沖縄に暗い影を落とし「対立」を激化させたままです。
 対談の最後で青山氏は「沖縄問題の根っこは沖縄経済への危機感です。沖縄をイデオロギーの島にしてはいけないということが、沖縄の人は分かっています。沖縄経済を盛り立てれば自然に翁長知事のような人は淘汰される。将来は石垣の中山市長のような人も候補の一人、年長者、財界人の中にもこれだと思う人がいると思うが、それが経済とかみ合って行った時に本物になる」と語りました。櫻井キャスターは「沖縄の若い世代の人と話をしていると希望を持っていけると感じます。私たちも沖縄に行って沖縄に媚びるのでなく、本音で問題を提起することが大事です」と対談を締めくくりました。

≪動画インデックス≫
 1.広島訪問計画は最初にオバマ大統領側か、安倍首相側か?
 2.被爆国だから核戦争はしないが、同時に核抑止力を優先的に考える権利も持っている
 3.オバマ大統領は戦後の大統領の中で一番核を減らしていない
 4.米国が核を放棄したら北朝鮮のオンボロ核が存在感を持つ
 5.プラハ宣言のmoral responsibilityと広島スピーチのmoral awakening
 6.オバマ大統領は広島で事実上の謝罪をしたと受け止める余地が十分あった
 7.安倍首相演説が歴史に残る重要発言を行っていたことにメディアは気付かなかった
 8.NYタイムズはhugと書いたが、オバマ大統領は尊敬を込めてembraceした
 9.核兵器は腐りやすく傷みやすいので、劣化すれば核物質の漏洩につながる
10.10年後にイランが核を持てばサウジも核を持ち、イスラム国まで広がる。
11.トランプは日本にとっては防衛力を考えるようになる「黒船来襲」なのか
12.トランプとオバマは「内向き」で本質的には同じタイプだ
13.米軍が世界展開する中で日米地位協定の裁判権が一番優位だ
14.日本の米軍基地は大使館と同じ治外法権だが、独の米軍基地は外法権ではない
15.沖縄の未来は若い世代が切り開く

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青山繁晴
独立総合研究所・代表取締役社長

1952年兵庫県神戸市生まれ。慶應大学中退後、早稲田大学政治経済学部卒業。共同通信社へ入社し、官邸、自民党担当記者等を経て、ペルー日本大使館占拠事件で現地取材した後に退社。三菱総合研究所の研究員として、安全保障・外交から金融・経済など包括する国家戦略の立案に携わる。 2002年シンクタンク独立総合研究所を創立し、代表取締役兼主席研究員に就任した。TVタックルなどテレビ番組に出演多数、著作に『ぼくらの祖国』、『激論でアベノミクスが解けた!』など。

※ プロフィールは放送日2016.06.03時点の情報です

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