≪櫻井よしこの対談後記≫
今夜のセッションは日本にとっての拉致問題解決の突破口となるやも知れない可能性も含めて大いに盛り上がりました。習近平体制が根本から揺らぎ始めています。この夏の北戴河会議はどうやら乗り切ったものの、中長期的に考えて米中の対立構造には大きな変化はありません。トランプ大統領が本気で貿易戦争を続ける構えを崩さない中で、習近平主席には打つ手がありません。いま習主席のカードは2枚です。中間選挙を見据えた時間稼ぎと、北朝鮮カードです。北朝鮮を最大限に利用してアメリカに対しては核ミサイルの廃止で手伝う振りをする。日本に対しては拉致問題の解決の後押しも可能だと甘い罠を仕掛ける。今後、数か月の間、この中国の思惑とトランプ大統領の中国に対する猜疑心がせめぎ合うでしょう。一方、日本はいま外交的にとても有利な状況にあります。今後、日本の覚悟次第で、新しい道が開けるはずです。
中国残留孤児の二世として15年間を中国で過ごした矢板さんの観察には非常に深い物があります。他の報告書には見られない中国分析は必ず皆様にとっても興味深いものだと思います。
※北戴河会議・・・河北省海辺の避暑地、北戴河(ほくたいが)で、毎年夏に共産党指導部と引退した長老らが集い、人事や重要政策について議論する非公式会議
≪対談で語られた論点≫
1.朝日英字版が慰安婦取消し記事に検索回避
【北戴河会議での習近平降ろしは本当か】
2.北戴河会議での習近平降ろしは本当か
3.王滬寧の責任に対するせめぎ合いが進行中
4.10月の4中総会で王滬寧人事があるのか
5.マハティール首相が新植民地主義を批判
6.中国が仕掛ける「債務の罠」
7.中国国内でも「一帯一路」批判が始まった
8.「北朝鮮カード」を中国が使い始めた
9.中国が日本に対しソフト路線に転じた理由
10.中国外務省の対日コメントが全く変わった
11.拉致は習近平を利用し北に圧力をかける
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矢板明夫
産経新聞外信部次長・元北京特派員
日本人残留孤児2世として、1972年、中国天津市生まれ。15歳のときに日本に引き揚げ。千葉県出身。1997年、慶応大学文学部を卒業。同年、松下政経塾に入塾(第18期生)、アジア外交が研究テーマ。その後、中国社会科学院日本研究所特別研究員、南開大学非常勤講師を経験。2002年、中国社会科学院大学院博士課程終了後、産経新聞社に入社。さいたま総局などを経て2007年に中国総局(北京)特派員。2016年秋に本社外信部編集委員、2017年4月から現職。著書は「習近平の悲劇」(産経新聞出版)「習近平 なぜ暴走するのか」(文春文庫)など多数。
※ プロフィールは放送日2018.08.24時点の情報です