≪櫻井よしこの対談後記≫
新年の第1週は藤原正彦さんをお招きしました。数学者でユーモア溢れる藤原さんと現代の日本人について考えました。
藤原さんはいつもの持論を展開しました。「武士道」という言葉に凝縮される日本人の善き性格、強い責任感と廉恥心。そうした伝統的価値を失いつつある日本の未来を憂いていました。
今何をすべきか。難しいと思われる課題に挑戦し、自分の思考能力を使って解を見つける。自己研鑽の道しかないことを確認するばかりでした。
知的努力を回避しようとする心を現代の便利な技術、例えばスマホが支えてくれています。技術は磨かれても、知的後退を続ける。この矛盾の中に私たちはいます。
藤原さんのお話をお聞きになって、皆様も一緒に考えて下さい。
≪対談で語られた論点≫
1.日本人が伝統を忘れ「根なし草」になった
2.政治家が世論で決めれば国民「平均値」政治
3.国民を引っ張るエリートなしでは民主主義は成立しない
4.家庭教育では「惻隠」「卑怯を許さない」ことを叩きこむ
5.家庭では良いことは褒める、悪いことは叱るが原則
6.東日本大震災被災民の「秩序と忍耐」を世界が絶賛
7.自由も民主主義も人権も欧米のフィクション
8.国連創設時に日本が主張した「人種平等」に欧米反対
9.日本政治家はなぜ中国の人権侵害に怯むのか
10.中国に対して日、独は批判せず財界の言いなり
11.日本人は考えずにスマホで調べるだけ
12.「読書」に必要な「我慢力」がなく、考える基盤なし
13.小学生は「国語力」、英語、PCはいらない
14.欧米型の技術習得は中,高でよい
15.祖国への自信、誇りがなければ世界では通用せず
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藤原正彦
数学者・作家・お茶の水女子大学名誉教授
1943年旧満州新京生れ。作家新田次郎と作家藤原ていの次男。東京大学理学部数学科大学院修士課程修了。理学博士。コロラド大学助教授を経てお茶の水女子大学教授。現在、同大学名誉教授。1978年、数学者の視点から眺めた清新な留学記『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、著書にベストセラーとなった『国家の品格』や『日本人の誇り』、『名著講義』(文藝春秋読者賞受賞)、『孤愁 サウダーデ』(新田次郎との共著、ロドリゲス通事賞受賞)、『父の威厳 数学者の意地』『日本人の矜持』『人生に関する72章』『管見妄語』シリーズなど多数。
※ プロフィールは放送日2023.01.06時点の情報です