闘うコラム大全集

  • 2015.02.28
  • 一般公開

貴重な歴史的証言を積み重ね中国の不条理な歴史捏造を打ち破れ

『週刊ダイヤモンド』 2015年2月28日号

新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1073


米国の大手出版社、マグロウヒルが作成した公立高校用の歴史教科書には、南京事件で日本軍が「40万の中国人を虐殺」したと記述されている。中国の対日情報戦が引き起こした不条理の一事例である。


折しも、「産経新聞」は「歴史戦 第9部 兵士たちの証言」を2月15日から始めた。南京攻略戦(1937年12月13日に日本軍は南京城に入城)に参加した軍人たちの証言集が、中国の根拠なき「40万人虐殺説」への最強の反証となるはずだ。


例えば、熊本で編成された精鋭部隊、第6師団歩兵第47連隊の獣医務曹長、城光宣氏(98歳)である。氏は、「城内は空っぽでした。兵隊どころか、住民も、誰もおらんでした」「城内では遺体も見とらんです」と証言している。


中国側は日本軍は37年12月13日から翌年2月までの間、朝から晩まで中国人を殺し続けたと主張する。だが、兵も住民も逃げてしまった南京市でどのようにして朝から晩まで殺りくを続けることができるのか。


海軍第12航空隊の3等航空兵曹、原田要氏(98歳)は日常生活を営む住民らの姿を、「露店が何軒か出ていて日本兵相手に商売をしていた」と語っている。氏は中国人から豚を1匹買ったそうだ。


中国人の日本兵相手の商売の様子は他の兵たちも証言している。


「入城して2~3日後、住民の姿をみかけるようになり、時計の修理のため時計屋を訪れた」(第16師団獣医少尉、稲垣清氏)

「露店で印鑑を作り、城内は極めて平穏だった」(第9師団歩兵第36連隊伍長、近藤平太夫氏)


中国側が言うように朝から晩まで、日本軍が中国人を殺していたのなら、彼らが日本軍相手の商売を続けることなど考えられないはずだ。


「産経」は南京攻略戦で日本軍を率いた松井石根陸軍大将の東京裁判での証言も報じている。


「(大虐殺は)公的な報告を受けたことがなく、終戦後米軍の放送で初めて知った」


松井大将は法学者を顧問として南京に帯同させていたことでも知られる。国際法の徹底順守に尽力した松井大将が虐殺を許すはずはない。大虐殺は戦後初めて聞いたとの陳述は、南京市内は平穏だった、中国人は日本兵相手に商売をしていたなどの複数の証言と整合する。


中国の不条理極まる歴史の捏造を打ち破るには、こうした貴重な証言を積み重ねることが大事である。その意味で阿羅健一氏の『「南京事件」日本人48人の証言』(小学館文庫)も貴重な一冊だ。


阿羅氏の集めた証言中、とりわけ興味深いのは18人に上る記者とカメラマンの証言である。彼らは南京攻略戦を取材し、南京市内の様子を記録に残した人々だ。その中に虐殺を見た、聞いたという人物は誰一人としていない。それでも阿羅氏は取材者として、「東京日々新聞」(現在の毎日新聞)浅海一男記者の「虐殺があった」との言葉を引用し、ただしている。


この問いに、東京日々新聞のカメラマン、佐藤振寿氏は「浅海があの記事はフィクションですと一言はっきり言えばよかったのです。彼は早稲田で廖承志(初代日中友好協会会長)と同級だし、何か考えることがあったんでしょう」と語っている。


同じ現場を踏んだ記者やカメラマンは皆、虐殺などなかったことを知っているのだ。同書には、日本軍が南京に入った後、中国人が小さな子供を抱き上げて日本人カメラマンに、笑顔を見せる写真も掲載されている。虐殺とは程遠い平穏な状況だったことをこの一葉の写真は見せている。


こうした当時の情報について、一日も早く英語に訳して世界に発表することが必要だといえる。

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