今週の出来事

Vol.38 会員限定

大反論!
「あなたは祖国のために戦えますか?」

2024.01.27 8分

【櫻井よしこの主張】 
 『あなたは祖国のために戦えますか?』という問いかけにXに沢山のご意見をいただきました。
 私は先週、この場で元空将の織田邦男さんの安全保障論の授業を紹介しました。織田さんは40年近い自衛官としての一生をふりかえり、一度も戦争をせずに退官できたこと、つまり戦争を抑止できたことを誇りとしている人です。この人が学生たちに国家というものの存在を教えています。国があるからといって永続するものではない。それは国民が大事に守らなければ滅びてしまう存在だということです。国、国民の生活、文化、家族などを守るにはどんな努力がいるのか。一人一人に何ができるのかなどを教えているのです。
 今は日本が戦争しに外に行く時代ではなく、戦争が向こうからやってくる時代です。織田さんは学生たちに一人一人が国防に果たせる役割を説きました。学年の半分が終了する頃には、学生の圧倒的多数が国を守るために自分の出来ることをしなければならないと納得するというのです。
 こういう内容を、私は先週語りました。それを「あなたは祖国のために戦えますか」と問いかける短い文章にしてXに上げました。
 それに対して女性雑誌やスポーツ新聞などが激しい言葉で反論してきました。
 《先ず櫻井よしこよ、お前が銃を持ち先頭切って戦いに行け》《櫻井よしこ、お前が率先して行け。人の命を軽んじるな!!》」などと書いています。
 「『自分は戦場に行く気もない人間がこういうことを言うんだよね』『老人が若者を煽ってはいけません』『祖国のためではなく、権力者のために血を流すことに若者も年寄りもNOと言っているのです』」とも書いています。
 どの人も私の「今週の出来事」の10分前後のコンテンツを見ていないで発信していると思われます。本でいえば中を読まずに、帯の宣伝文だけを見て批判しているようなものです。人の主張に耳を傾けもせず読むこともありません。その分彼らの批判は好い加減です。
 たとえば外交で解決せよという方がいますが、ウクライナの現状を見ているのでしょうか。
 繰り返しますが、今は日本が戦争を仕掛ける時代ではないです。日本人は決して戦争を仕掛けはしません。私も皆さんも戦争は避けなければならないと強く考えているはずです。でも日本が望んでいなくても戦争が向こうからやってくるのが今の時代です。
 たとえば中国です。北朝鮮です。ロシアだってそうでしょう。
 そのときにどうするか、一人一人何ができるか考えましょうというのが私の言っていることです。自分のこと、家族のこと、古里のこと、国のこと、そうしたものをひっくるめた日本を守るためにそれぞれの人がそれぞれの立場で、何ができるか考えましょう。
 このような私の主張を読むこともなく、Xで批判する人々が結果として人々の考える力を削いでいくのではないでしょうか。
 そのような人たちを操るかのように問題を曲げ、さらに大きくする左のメディアこそ、最も卑怯な存在だと私は思います。

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