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Vol.562 会員限定

台湾戦で米中が考える核戦略シナリオ

日米は中国の「核の威嚇」に屈せず戦えるか

2023.07.28 64分

≪櫻井よしこの対談後記≫
 今夜は暑い夏の夜がもっと暑くなるような核の問題を取り上げました。私たちはいま、実際に核が使われるかもしれない恐怖の時代に生きています。
 プーチン大統領が核を使うぞと脅しながら通常兵器でウクライナを攻め続けています。プーチン大統領は結果としてアメリカに核の脅しを十分効かせることが出来てきました。つまり、ロシアがアメリカを核で抑止したのです。
 それを見ている中国が、その手法を台湾問題で使おうと考えるのも自然な成り行きでしょう。アメリカがロシアや中国の突きつけるリスクに真っ正面から向き合わない限り、リスクを突きつけた方が勝つのです。
 そのアメリカに全面的に依存する我が国日本と私たち日本人はどうすればよいのでしょうか。
 お二人の専門家、元統合幕僚長の河野克俊さん、防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄さんのお二人と具体的に論じました。

≪対談で語られた論点≫
 1.ウクライナ戦争で米国は露の「核の脅し」に屈した
 2.戦争国「リスクゲーム」でリスクを多くとった国が有利
 3.バイデン政権は核戦争を避けリスクをとらない
 4.ウ戦争後の日本は米国の「「核の傘」に入れるか不安
 5.組兵器使用で世界が変わり、その後のシナリオは想像不可。
 6.核兵器使用の惨状はSNSで瞬時に世界に広がる
 7. 露も米も核攻撃はウクライナ国内に撃つ
 8. 核兵器は軍人ではなく最高指導者の兵器
 9.1師団2万人のせん滅に戦術核200発
10.ザ原発が福島程度で半径30キロ、核汚染は狭い範囲
11.中国は台湾戦を短期戦で決着させたい
12.台湾有事で中国は核の威嚇で米国に軍事介入させない
13.米国は露に対抗し戦場仕様の核兵器を作る

河野克俊

河野克俊
元統合幕僚長

1954年(昭和29年)、北海道生まれ。昭和52年に防衛大学校機械工学科卒業後、海上自衛隊入隊。第三護衛隊群司令、佐世保地方総監部幕僚長、海上幕僚監部総務部長、海上幕僚監部防衛部長、掃海隊群司令、海将に昇任し護衛艦隊司令官、統合幕僚副長、自衛艦隊司令官、海上幕僚長を歴任。平成26年、第五代統合幕僚長に就任。平成31年4月退官。著書『統合幕僚長―我がリーダーの心得』

高橋杉雄

高橋杉雄
防衛研究所防衛政策研究室長

1972年神奈川県生まれ。1997年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。2006年ジョージワシントン大学大学院修了。1997年より防衛研究所。1998年より2001年まで防衛省防衛政策局防衛政策課研究室、2008年より2016年まで防衛省防衛政策局防衛政策課戦略企画室兼務。核抑止論、日本の防衛政策を中心に研究。主な著作に『新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛』(並木書房、2020年)(共編著)、『「核の忘却」の終わり:核兵器復権の時代」』(勁草書房、2016年)(共編著)、China’s Strategic Arsenal: Worldview, Doctrine, and Systems (Georgetown University Press, forthcoming) (『中国の戦略的能力:世界観、ドクトリン、システム』(共著)(ジョージタウン大学出版より2021年出版予定))

※ プロフィールは放送日2023.07.28時点の情報です

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