≪櫻井よしこの対談後記≫
　今夜のゲストはパワフルな片山さつきさんと田北真樹子さんでした。女性三人でトランスジェンダーの話をしました。
　複雑で繊細で、非常に重要なテーマです。けれども世間一般の関心は低いと思います。
　でもこの問題を放っておくと、とんでもない事態がおきそうです。
　男性に生まれた人が「自分は女性だ」と考え、女性に生まれた人が「自分は男性だ」と考える。生まれ持った性と自分の意識が一致しない人たちが、戸籍上の性を変えてほしい、そのための条件をゆるめてほしいと言っています。
　その場合、ごく少数の人の主張を受け入れることで、社会の圧倒的多数の人の日常が変えられてしまう危険性があります。
　日本社会の本質的変化が、誰も気付かないうちになされてしまうかもしれないのです。
どうぞ他人事と思わずに、この鼎談を読んでいただきたいと思います

≪対談で語られた論点≫
　　１．相手方のいない一方的な大法廷弁論が行われた
　　２．申立人の情報を国民は知らない
　　３．なぜ法務省は裁判に参加しないのか
　　４．判決は戸籍法を変えない程度の内容か？
　　５．最高裁に特別抗告するまでの経緯
　　６．特別法立法趣旨と今回の訴え趣旨が乖離
　　７．海外はトランスの行き過ぎが戻りつつある
　　８．滝本弁護士による予想される最高裁判断
　　９．違憲判決が出れば日本社会はすぐさま混乱
　１０．妊娠もある「法的男性」、妊娠させ得る「法的女性」
　１１．男も女もないバイナリーは第三の性
　１２．司法がカバーできない分野があるのを自覚せよ
　１３．なぜ司法が社会混乱を先導するのか
　１４．最高裁判事任命は内閣でなく国会案件に

片山さつき
参議院議員

自民党全国比例区選出参議院議員（参院3期＋衆院1期）。金融調査会長・副幹事長・予算委理事・税調副会長。1959年、埼玉県浦和市（現・さいたま市）生まれ。東京大学法学部卒業後、フランス国立行政学院（ENA）修了。1982年大蔵省（現・財務省）入省、女性初の主計局主計官などを歴任。2005年の衆議院議員選挙で初当選。元内閣府特命担当大臣（地方創生・規制改革、女性活躍等）、自民党総務会長代理、政調会長代理、外交防衛委員長等を歴任。議員立法多数。

田北真樹子
産経新聞月刊「正論」編集長

1970年大分県生まれ。米国シアトル大学コミュニケーション学部でジャーナリズムを専攻し、96年産経新聞入社。整理部記者、前橋支局、外信部を経て、2000年から政治部。森喜朗首相の総理番を振り出しに、首相官邸、自民党、外務省を担当、09年にニューデリー支局長に就任。13年以降は、「歴史戦」取材班などで慰安婦問題などを取材してきた。15年に政治部に戻り首相官邸キャップを経て、現在は産経新聞正論編集長。

※ プロフィールは放送日2023.09.29時点の情報です