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- 2026.02.05
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節操なき新党「中道」に国政担当は無理
『週刊新潮』 2026年2月5日号
日本ルネッサンス 第1182回
1月23日、高市早苗首相が衆院解散、総選挙に踏み切ったことに野党やオールドメディアが批判を浴びせている。解散の大義なしと言うが、氏の決断には十分な理由がある。
昨年10月10日、公明党が突然連立政権を離脱、10日後、日本維新の会と自民党の連立が発表された。26年間続いた自公政権が根本から変わったことだけでも国民に信を問うに値する。
加えて現在の自民党勢力は石破政権が形成した。高市氏の国家観や政策とはおよそ対極にあり、最も自民党らしくない政治家が石破茂氏である。高市氏が石破政策のおよそ全てを、保守を自任する自らの考えで練り直したいと思うこと、石破氏によって少数与党の奈落に突き落とされた自民党を単独過半数越えに戻したいと願うことも当然だ。
国民の高市氏への支持や共感は強い。民意に応えて自身の信ずる政策を実現するには、安定した政治基盤が必要だとする思いもまた総選挙実施を正当化する。さらに、解散表明後ではあるが、公明党と立憲民主党の新党結成も国民の信を問うべきことだろう。
高市氏を支える片山さつき財務相と有村治子総務会長が衆院解散当日、「言論テレビ」で語った。
「政治の乱流を泳ぎきらなければならない。日本丸の舵取りは高市早苗で是か非か。国民に虚心坦懐に問い、進退を明示し、退路を断った。あのようなことは御本人しか書けない。言えない。誰も予想していなかった決意表明に皆粛然とし、一層心を引き締めた」と有村氏。
一言、「男前ですよ」と言ったのは片山氏だ。「政治家としては当然だけれど、みんな出来ないよね」と言葉を継いだ。
片山、有村両氏ならずとも、解散総選挙にかける高市氏の執念と覚悟は見る者の心に迫る。対する公明・立憲の衆院議員による新党、中道改革連合はどうか。自維連立政権は米国との協調勢力、公明・立憲は中国との協調勢力であり、両勢力の相違は国家観だ。有村氏が強調した。
「去年の秋以来、各政党が何の為に政党を組織しているのか、何をすれば国家国民に仕えたことになると考えているのか、政党の背骨、根幹の哲学、自らのアイデンティティが今程問われたことはない。自民党は結党70年、政治は国民のもので、革命や暴力は一切許さない、世界を席巻する社会主義に呑まれてはならないという精神だ。だからこそ、国家観を共有する日本維新と連立した」
中道について有村氏が問うた。
「立憲の支持率が伸びなかったのは彼らの日々の活動がいかに自民党の出鼻を挫くか、スキャンダルを突くかが目的になっているからだ。国家運営をどうするのか、どんな国を創りたいのかが分からない。彼らが国家を語ったことがあったか」
明らかに立憲には国家観が欠落しているのである。衆議院でわずか24議席の公明に148議席の立憲が呑み込まれた原因もそこにある。国家の根幹をなす安全保障及びエネルギー政策において、立憲は彼らの長年の政策を悉く反転させて公明の要求を受け入れた。
「混迷の入口」
平和安全法制を違憲と認定し廃止を求めてきた立憲が、合憲だと言い始めた。普天間飛行場の辺野古への移設にも反対してきたが、安住淳共同幹事長は記者会見で、政権与党になれば、移設工事を止めることは現実的ではないと語った。直ちに沖縄の立憲陣営が抗議し、野田佳彦共同代表が、「沖縄県民の声を踏まえながら対応するのが最大公約数だ」「移設には慎重な立場だ」との弁明に追い込まれた。
立憲の迷走について、23日、小泉進次郎防衛相が「辺野古移設についても統一した見解を持てない。仮に過半数を取り、極めて厳しい安全保障環境の中で政権の舵取りを担うと混迷の入口に立つことになる」と語ったが、正論である。
立憲の節操のなさは中道の政策集からも明らかだ。そこには「第4の柱」として、「現実的な外交・防衛政策と憲法改正論議の深化」が挙げられている。
「現実的」であることを公約に掲げながら非核三原則の堅持を掲げている。中国が日本・台湾を視野にかつてない速度で核の増産を進めており、プーチン露大統領はウクライナ戦争で実際に核の使用を真剣に検討した。台湾有事の際、中国は核を使うのか。この点こそ戦略専門家の熱い議論の的であり続けている。中国の核使用の可能性は高くないとしても、兵器の中の兵器として核の意味は大きい。核戦力で米国に追いつきつつある中国の野望を見せつけられている今、米軍の核持ち込みを禁ずる非核三原則の堅持を公約として掲げるのは、それこそ非現実的で、日本国民も日本国も守れはしない。
参政党の力は…
噴飯物の公約はまだある。「憲法改正論議の深化」である。憲法学者の西修氏が、国会での憲法審査が271回開催され、40億円以上の費用がかかっていたことを突きとめた。それでも議論は全く進展していない。野田氏を筆頭に立憲が常に議論を妨げてきたからだ。
昨年11月27日、自民と日本維新は連立政権合意書にある、憲法改正に関する条文起草委員会の設置を提案した。すると早速野田氏が「時期尚早だ」と牽制した。こんなに邪魔ばかりする野田氏ら立憲議員に憲法改正論議を深化させるなどと言う資格はないのである。
一方、自民党が脅威を感じているのが参政党だ。有村氏の指摘である。
「外国人政策は参政党が一番だという印象がありますが、間違いです。外国人政策について自民党はどの政党にも負けません。出入国管理で在留資格を含めて法やルールに反する人々には厳正に対処し、日本国籍取得の審査も厳格化します。外国人の土地取得は国籍情報も含めてデータベースに一元化し適切に公開します。持主不明の離島は国有化します。各省庁との擦り合わせも完了して、1月20日、総務会で了承、官邸にも提言を手渡しました。遜色のない法律をつくり、施行時期も示しています。参政党の皆さんが外国人政策を主導しているというのは実態ではありません」
有村氏は省庁横断的に外国人対策を論議する体制を提案し、海外の事例も研究して、法案としてまとめた功労者だ。参政党ではなく自民党こそ外国人問題を真剣に考えてきたと誇る資格はあるだろう。
折しも福井県知事選挙で自民党が分裂選挙を行い、参政党が支持を表明した石田嵩人氏(35)が初当選し、自民党本部が支持した候補者が敗れた。参政党の力は侮れない。だが参政党を含め、全ての政党を超えて有権者に訴えるべく、高市氏がいまこそ、最も熱く語らなければならない。高市氏の熱量で党全体を団結させるのだ。それなしでは自民党の票は他の保守系政党に分散し、高市氏の圧勝は困難になる。高市氏よ、今こそ敢然と街頭に立て。
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