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Vol.53 一般公開

「米日+豪でアジアに影響を及ぼせば中国の影響は排除できる」
揺らぐ米国の威信にサウジが対米路線変更、フィリピン動揺?

2013.10.25 54分

 米議会の与野党対立で、世界経済を大混乱に陥れる米国債の債務不履行(デフォルト)危機が、10月16日に土壇場で回避されました。政府債務の上限を引き上げる法案が成立し、来年2月までの借り入れは可能になりましたが、議会がねじれ状態のままで、数カ月後に再び大混乱が繰り返される可能性は否定できません。オバマ大統領はシリアの化学兵器使用問題で強い態度を取れずに批判され、財政問題を理由にアジア太平洋経済協力会議(APEC)などへの出席を見送り、その財政問題で指導力が発揮できず、オバマ大統領の「決められない政治」に米国の威信は大きく揺らいでいます。

 外交評論家で国家基本問題研究所副理事長の田久保忠衛氏は、今年2月早々にオバマ大統領2期目の就任演説を読んで誰よりも早く「内向きになり、変質する米国」を指摘しました。国内問題ばかりを見つめようとする米国がこれからどう姿を変えるのか、脱「米国中心主義」を主張する中国と米国との関係はどうなるのか、秩序なき混沌とした国際情勢の中で日本はどんな舵取りすればよいかを議論していただくために日米問題に精通する論客対談を企画しました。

 櫻井キャスターは「これから3年間(内向きの)オバマ政権が続けば、日本やアジアはどうやって基盤を強くするか問われている」と指摘すると、田久保氏は「アジアの秩序は米国を中心として、アメリカの5つの手(日本、韓国、フィリピン、オーストラリア、タイ)の同盟関係があって、中国に対峙していた。しかし、肝心の米国が後ろに去っていく。強すぎる米国がそばにいると日本は何もできないので、ある意味では絶好のチャンスである」と述べ、「内向きオバマ政権と外向き安倍政権の歯車が合って、その上に9月に豪州総選挙で登場した保守系アボット政権が加わり、三国でアジア全体に徐々に影響力を及ぼしていけば、中国の影響力を排除できるのではないか」と論じました。

≪動画インデックス≫
1. オバマ大統領支持率44%に急落、不支持が支持を上回る理由
2. 中国新華社が脱米国主義の厳しい社説
3. オバマ訪問中止の隙間を習近平、李克強が相次ぎ訪問
4. 対中強硬フィリピン、ベトナムが長いものに巻かれだした?
5. 中東大国サウジのバンダル王子が「対米外交を大きく転換」と発言
6. 9月の豪州総選挙で誕生したアボット新首相は、安倍総理の本当の友か?
7. 「温もりのあった日米関係」から「冷え冷えとした同盟関係」がしばらく続く
8. 内向き米国はオバマ大統領自身の傾向か?財政問題か?国力の衰退か?
9. 内向きオバマと外向き安倍+豪・アボット連合は、中国の影響を排除できるか?

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田久保 忠衛
外交評論家,政治学者

1933年千葉県生まれ。早稲田大学法学部卒、時事通信社外信部長、編集局次長を経て、杏林大学社会科学部教授。アメリカ外交、国際関係論が専門、1996年第12回正論大賞受賞。現在、公益財団法人「国家基本問題研究所」副理事長、杏林大学名誉教授。著書に『ニクソンと対中国外交』、『激動する国際情勢と日本』、『新しい日米同盟―親米ナショナリズムへの戦略』、『早わかり・日本の領土問題-諸外国と何をモメているのか』など多数。

※ プロフィールは放送日2013.10.25時点の情報です

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