≪櫻井よしこの対談後記≫
今年の言論テレビ第一回目は、知の巨人お二人をお招きしました。数学者の藤原正彦先生と化学がご専門の山本尚先生です。山本先生はノーベル化学賞の候補者でもあります。
国際社会に通じる秀でた学問研究をしていらっしゃるお二人は、極めて日本的な感情や感性を大事にしている方達でした。
国際社会に通用するには外国の学問より前に、日本人としての学問をきっちりと修めていなければならないと、強調します。
日本的な学問教養はまず、自然との接し方にあります。美しくも豊かな自然に恵まれている日本列島に、縄文時代から住んできた私たち日本人は、自然との関わりの中で非常に深い、そして繊細な感性を身につけているのであり、それを対人関係、対社会関係、学問との関係、研究との関係で活かしていくこと自体が、あらゆる意味で他国にはない、優れた結果を生み出す要因だと強調しています。
国際化の波に乗り遅れないためにも、逆説的ですが、私たちは立派な教養ある日本人にならなければいけないということです。
このことは令和三年の激しい国際政治の動きにも当てはめる事が出来ると思います。
米中のせめぎ合いの荒波の中に沈まない為にも、日本は、日本としての基盤をしっかりと整えることが必要だと思った次第です。
≪目次≫
【第1部】武漢ウイルスと日本人の底力
1.日本人は内向型、集団型、感覚型民族
2.日本人は家の外は綺麗に、外は綺麗にしない
3.日本人はコロナ克服の道を世界に示せるか
4.集団型民族は決断ができない
5.中国は民主主義ではコロナを抑えられないと批判
6.上杉鷹山のような賢人が独裁者になるのが良い
7.令和3年の課題はどう中国と向き合うか
8.内向型は自らを改良して上に昇ろうとする
9.西洋学問は自然を征服、自然に寄り添う日本学問
10.間違えやすいが中国人と韓国人は「外向型」
【第2部】日本の大学教育改革
1.教授会民主主義は本質的決定ができない
2.教授会を廃止し、理事長に強い権限を持たせる
3.日本学術会議はあってもなくともよい組織
4.経団連発の教育改革をやめよ
【第3部】全国のお母さん必見!
「知の巨人」が明かす子供の育て方
1.子供たちの美的感受性を育てる
2.学校は「知恵」を教え「知識」は教えなくてよい
3.ノーベル賞学者は「論理」でなく「フィーリング」
4.まず形から入れ!「格に入り、格より出でよ」
5.小中学生のスマホを禁止し、読書をさせよ!
6.「赤毛のアン」の感動に感動せよ!
7.古事記、日本書紀を熟読しよう!
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藤原正彦
数学者・作家・お茶の水女子大学名誉教授
1943年旧満州新京生れ。作家新田次郎と作家藤原ていの次男。東京大学理学部数学科大学院修士課程修了。理学博士。コロラド大学助教授を経てお茶の水女子大学教授。現在、同大学名誉教授。1978年、数学者の視点から眺めた清新な留学記『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、著書にベストセラーとなった『国家の品格』や『日本人の誇り』、『名著講義』(文藝春秋読者賞受賞)、『孤愁 サウダーデ』(新田次郎との共著、ロドリゲス通事賞受賞)、『父の威厳 数学者の意地』『日本人の矜持』『人生に関する72章』『管見妄語』シリーズなど多数。
山本尚
中部大学教授・名古屋大学特別教授
1943年兵庫県生まれ。中部大学教授、名古屋大学特別教授、シカゴ大学名誉教授。京都大学工学部工業化学科卒、ハーバート大学大学院化学科博士課程修了。東レ基礎研究所勤務後に京都大学工学部助手、ハワイ大学准教授、名古屋大学教授、シカゴ大学教授を歴任。2011年中部大学教授に就任。17年に有機化学で最も権威のある「ロジャー・アダムス賞」を受賞した。18年に瑞宝中綬章、文化功労者。
※ プロフィールは放送日2021.01.01時点の情報です