闘うコラム大全集

  • 2017.09.02
  • 一般公開

反安倍政権の偏向報道続く大手メディア 注目される沖縄ローカル紙の本島進出

『週刊ダイヤモンド』 2017年9月2日号

新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1196
 


前愛媛県知事の加戸守行氏の知名度はネットの世界では極めて高い。その風貌、佇まいに「上品なお爺さん」「正論を言う人」など多くのコメントが寄せられている。


知事を3期12年務めた加戸氏は国家戦略特区制度の下で獣医学部新設を申請した加計学園の問題の、当事者である。氏は国会閉会中審査で3度、参考人として証言し、同問題に安倍晋三首相が介入していなかったこと、介入の余地は全くなかったことを、申請経過を辿りながら明快にした。前述のコメントはこのような氏の説明振りに対して寄せられているのだ。


ただし、これはネット空間でのことだ。地上波テレビ局のニュース番組やワイドショー番組、「産経」「読売」を除く大手新聞、とりわけ「朝日」「毎日」「東京」などは、氏を徹底的に無視した。国民のテレビ局として受信料を徴収するNHKも、明らかな放送法違反といってよい形で氏を無視した。


従って「産経」「読売」を読まない人、あるいはネットのニュースに接しない人にとっては、加戸氏は「存在しない」のである。そのことを氏は興味深い形で体験した。


8月23日、氏は約1週間のバルカン諸国を巡る旅から帰国した。お嬢さんらとの家族旅行だ。帰国当日、私の主宰する「言論テレビ」への出演、及び対談に関しての打ち合わせの中で、氏が穏やかな口調で語った。


「家族でパック旅行をしましてね。他の皆さん方と同じテーブルで食事をしたとき、安倍首相を批判する声が少なくないことに気づきました。加計学園問題などで隠し事をしている、お友達に便宜をはかっている。そろそろ降板時だなどと、テレビの報道やワイドショーの話をそのまま信じているような話し振りでした」


1週間の旅で同行の人たちは加戸氏に気づいたのだろうか。


「いいえ、誰も」と、加戸氏。さらに、「そこで私は控えめに、安倍さんを擁護しましたけれどね。それにしても大手メディアの伝える誤った情報がこれだけ浸透している。こわいものですね」とも語った。


前述のように地上波のテレビ局や主要新聞の多くが加戸発言を殆ど伝えず、前川喜平前文部科学事務次官の発言や反安倍政権の視点に基づく偏向報道で染まり続ける限り、多くの人々は加戸氏の顔も知らず、その主張も知らない。人々は大手メディアの伝える前川発言を信じるばかりで、世論は間違った方向に導かれていく。こんなメディアの現状に尽々嫌気がさしているとき、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(仲新城誠著、産経新聞出版)を読んだ。


沖縄県石垣島のローカル紙、「八重山日報」が沖縄本島に進出し、「琉球新報」「沖縄タイムス」の2大紙に挑んでいる。人口143万人、世帯数約57万の沖縄で、2紙は計約30万部の圧倒的部数を有す。そんな2紙の牙城に、「事実を伝えたい」「公正公平な報道を実現したい」と「大望」を掲げて発行部数6000の弱小体、「八重山日報」が進出した。


だが、2紙の威光を恐れてか記者も集まらない。印刷所の手当ても苦労した。配達要員も不足、広告も入らない。


ないない尽くしのどん底状態だが、県民はしっかり見ていてくれた。本島での発行開始から2か月足らずで購読数は2000部に達し、申し込みはまだ続いている。ただ、悲しいことに配達員不足で対応できていない。


新聞を読む人が減り、ネットで情報を得る人がふえているいま、新聞は新規購読者ひとりを確保するのも容易ではない。それが2か月でなんと2000部である。如何に沖縄県民が2紙の偏向報道に辟易しているか、である。


紙面の改善、充実という課題は深刻な問題として残っているが、「八重山日報」の成功を祈らずにはいられない。

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