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Vol.36 一般公開

「オバマ2期目は“お友達”を集めリベラルな政策を押出そうとしている」
変質する米国に日本はどう対処すべきか?

2013.06.28 44分

 米オバマ大統領の支持率(CNN調査)は、この1カ月で8ポイント低下し、45%に急落しています。米情報機関が極秘にインターネットのメールなどの情報を入手していたとCIA元職員が暴露した問題に加えて、シリアのアサド大統領の国民弾圧やサリン使用などに対する無策が米国民のオバマ離れを起こしています。こうした無策は人権問題を重視しているはずのオバマ大統領の価値観とは異なるのではないか、また世界における米国の地位の衰退につながるのではないかという批判です。

 対談の冒頭で田久保忠衛氏は、現在のオバマ大統領の抱える3弱点を説明しました。①内国歳入庁(IRS)問題 ②リビア・ベンガジ米領事館襲撃事件 ③AP通信記者への盗聴事件とネット監視暴露事件(スノーデン事件)です。内政問題に気を取られ、中国やロシアとの外交も上手くこなせず、エジプト、シリア、トルコなどでも見通しを誤るなど、オバマ大統領はまさに内憂外患状態に陥っていると田久保氏は指摘しました。

 田久保氏は『ニクソンと対中国外交』を著わすなど米中関係のスペシャリストです。現在までの米中関係を3段階に分けた解説は興味深かったと思います。①米国完全優位のニクソン時代 ②ゼーリック国務副長官が中国に米国と利害を共有する国になるように呼びかけたブッシュ時代 ③米中首脳会談で習近平国家主席が米中を「新型大国関係」と主張した“中国増長”のオバマ時代という分析です。

 外交や安保よりも国内問題を重視し内向きになる米国、支持率の急落するオバマ政権、米国完全優位から中国が増長する米中関係、エジプトなど中東情勢の見通しが必ずしも正しくない米国、様々な意味で変質する米国に日本はどう対処すべきか、番組後半は櫻井キャスターと田久保氏の丁々発止の議論が続きます。

≪動画インデックス≫
1. 朴大統領はなぜ中国に接近するのか?中韓首脳会談の分析する
2. オバマ大統領は抱える内政問題の3弱点とは
3. オバマ政権はシリア、エジプト、トルコなどの見通しを誤っている
4. 米中関係はニクソン時代→ブッシュ時代→オバマ時代で3段階変質をした
5. 2期目オバマ政権の国務長官・国防長官・大統領補佐官人事を分析する
6. 6月に米国で行われた日米統合演習ドーン・ブリッツ13の意義とは
7. 変質する米国に同盟国日本はどのように対処すべきか?

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田久保 忠衛

田久保 忠衛
外交評論家,政治学者

1933年千葉県生まれ。早稲田大学法学部卒、時事通信社外信部長、編集局次長を経て、杏林大学社会科学部教授。アメリカ外交、国際関係論が専門、1996年第12回正論大賞受賞。現在、公益財団法人「国家基本問題研究所」副理事長、杏林大学名誉教授。著書に『ニクソンと対中国外交』、『激動する国際情勢と日本』、『新しい日米同盟―親米ナショナリズムへの戦略』、『早わかり・日本の領土問題-諸外国と何をモメているのか』など多数。

※ プロフィールは放送日2013.06.28時点の情報です

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