元気になるメルマガ

  • 2015.04.27
  • 一般公開

「中国人の反日感情を溶かす日本人の優しさ」

# 或る中国人女性の体験

  皆さんこんにちは。

 先日、日本を訪れている中国人一家とお会いしました。日本に馴染み
の深いご主人とは対照的に、夫人は初めての来日です。

 そこで、夫人に日本の印象を尋ねました。彼女は、想像していた日本
と、実際の日本があまりにも違うのでびっくりしていると次のように語
りました。

「中国では、日本は邪悪な国で、何から何まで嫌なことに満ちていると
教えられてきました。でも、来てみると、いやなことは何ひとつありま
せん。日本人は皆、優しく親切で、街もホテルも清潔で、本当に感激し
ています」


#2億6000万人を反日教育

 江沢民政権下の1993年以来、中国は愛国教育の名の下に反日教育
を進めてきました。幼稚園から大学まで、2億6000万の児童、生徒、
学生に、各々のレベルに合わせた反日教育が施されています。日本の総
人口の2倍の数の人たちが、日々、日本は悪い国だ、歴史を歪める邪悪
な国だ、尖閣諸島も盗もうとしていると教えられるわけですから、日本
への悪印象が深く根づくのも当然です。ところが来日したその日から、
礼儀正しく優しい日本人の挙措に接して、驚きの連続だと、夫人はいう
のです。

 具体的にどんな体験をしたのかと、尋ねますと、道に迷っていると、
単に教えてくれるだけでなく、分かりやすいところまで送ってくれる。
しかもそれが一度や二度ではなく、道を聞くたびにどの人も同じように
親切に案内してくれる、と言いました。

 ご主人はこう言います。

「中国人は決してそんなことはしてくれません。あっちだ、こっちだと
勝手な方向を指さすくらいなものです。ですから妻は本当に感激してい
るのです。多くの中国人が妻と同じように、日本に悪印象を抱いていま
すが、来てみれば誤解は氷解します。だからできるだけ多くの中国人に、
日本を訪れ日本人と接してほしい。それが摩擦を解決する一番の道です。
しかし、悲しいのは、この頃日本人が中国に来なくなったことです」


#中国共産党への拒否感

 私は、率直な感情を交えて答えました。

「日本人は今、中国に行くのが怖いという思いをどこかで持っています。
何をされるかわからない、何を食べさせられるかも分からない。日本に
不当な言いがかりをつけ続ける中国共産党と中国人のイメージが重なっ
ているのです」

 いまや中国政府は慰安婦の数は朝鮮半島に20万人、中国にも同じだ
けの慰安婦がいたとして慰安婦40万人説を言い出し始めています。南
京事件の犠牲者については40万人説が出始めました。このような共産
党一党支配下の中国に旅行しようという気に、中々、ならないのは、日
本人としては自然だと思います。それでも、国民同士の交流がとても大
事という点については、異論はありません。四月、五月のこの美しい季
節、中国の方に限らず、多くの外国の人たちに来てもらい、楽しんでほ
しいと思います。


#ラケットの運命

 日本人の優しさと誠実さを実感させられた出来事が、つい、先頃、も
うひとつありました。数十年来、家族ぐるみでお付き合いをしてきた友
人のはなしです。

 丁度20年前の誕生日に、この親友が私にテニスのラケットをプレゼ
ントしてくれました。このところ、私はほとんどテニスをしませんが、
学生時代は一応、選手でした。

 とても嬉しく、私はそのラケットをもらいました。が、中々プレーを
する機会がありませんでした。10年以上すぎたとき、彼女が言いまし
た。

「よしこさんにあげたラケット、私が使ってもいい?」

 プリンスブランドのこのラケットのヘッドは逆三角に似た形に広がっ
ていて打ち易く、振り抜くときに勢いがつきます。彼女は同じ型のラケ
ットを長年使っているのですが、彼女の分はもう古くなってしまいまし
た。おまけにメーカーにも在庫がなくなったのです。

 私は喜んで彼女からのプレゼントを、今度は彼女に〝逆プレゼント〟
しました。そのラケットを彼女はいま毎週、愛用しています。


# 魔法のような働き振り

 彼女はある日、自宅のある西荻窪から電車で新宿に向かい、新宿で所
用を済ませてからテニスコートに向うつもりで、ラケットを持って外出
しました。

 所用を済ませて新宿駅のホームに入ってきた電車に飛び乗り、座席に
座り、ラケットをその脇に置きました。

 東京以外にお住まいの方には少し分かりづらいかもしれませんが、乗
った電車が中野止まりでしたので、中野駅で一旦降りて、しばらくして
後から入ってきた三鷹行きの電車に乗ろうとしたときのことです。彼女
はハタと、ラケットを電車に置き忘れたことに気づいたのです。

 急いで中野駅の事務室に行き、忘れ物係の駅員に話すと、こう言われ
たそうです。

「先ほどの電車は折り返して千葉方面に向かっています。今から三分後
に飯田橋の駅に着きます。そこで探しますので、五分後にまた来てくだ
さい」

 なんと、駅員は「三分後に電車が飯田橋の駅に着く」とすぐに答えら
れたのです。五分後に来て下さいということは、電車到着後わずか二分
の間に電車内の忘れ物をきちんとチェックできるということです。実に
几帳面な、しっかりしたシステムで電車が運行されていることを物語っ
ています。


# ラケット、無事に戻る

 彼女は言われた通り五分後に、駅事務所に戻りました。すると駅員が
言いました。

「ラケットは見つかりませんでした。でも忘れ物情報は遺失物センター
のコンピューターに集約されますから、明日、お電話をください」

 電話番号をもらって、彼女は翌朝九時過ぎに遺失物センターに連絡し
ました。担当の女性は非常に感じのよい、テキパキとした対応でした。
状況説明を聞いて、係の女性が彼女に質問しました。

――お客様のラケットには、何か特徴はありますか。
「ラケットカバーは黒です。赤と金色でPRINCEと書いています」

 再び係の女性がたずねました。

――その他に、ラケット自体に何か特徴はありますか。
「ガットにニコちゃんマークの振動止めをつけています」

 係の女性が言いました。

――お客様のものに間違いないラケットが、信濃町駅の改札に届いてい
ます。どうぞ、そちらでお受け取りください。

 電車内でラケットを見つけた人が、信濃町で降りるときに駅に届けて
くださったのですね。前日に飯田橋の駅で探しても見つからなかったの
は、その時すでに電車内にはなかったからなのです。

 こうしてラケットは無事に私の親友の手に戻りました。

 日本人って、なんと几帳面できちんとした人たちでしょうか。忘れ物
はきちんと届け出る。日本人にとっては当たり前でも、世界の他の国で
は中々、こんなことはありません。

 現にイギリスから日本に来ている彼女のお友達にこの話をしましたら、
言ったそうです。「こんなこと、イギリスではあり得ない」

 イギリスだけではありません。世界広しといえども、忘れ物や落とし
物が無事に手元に戻ってくるというのはなかなかあり得ないことだと思
います。


# 往復切符のはなし

 私の体験もお話ししましょう。

 しばらく前に、週末の割引往復切符で、新潟県長岡市に行きました。
長岡駅を降りる際、往復切符であることを忘れて、切符を改札の機械に
残したまま、迎えに来たクラスメート達と一緒にそのまま長岡の町に出
てしまいました。

 夕方、帰る時になって、切符がないのに気づきました。

「そうだ、週末割引の往復切符だもの、改札口で切符を回収しておかな
ければいけなかったんだ」

 ようやく気づいて、ダメ元で駅員さんにお尋ねしました。

「今朝、長岡に着いた時に往復切符を回収し忘れたのですが、まだあり
ますでしょうか」

駅員さんはすぐに調べて、「お預かりしています」と切符を戻して下さ
ったのです。感激しました。感激を超えて感動しました。


# 日本の「当たり前」の感激

 日本では、こういうことが起こりうるんですね。むしろ日本ではこれ
が当たり前なのですね。きちんと仕事をすることを当たり前のこととし、
人に親切に振る舞うことも当然のこととして実行する。日本って素敵な
国ですね。日本人って素敵な人ですね。

 皆さんの中にも同じような体験をなさった方がいらっしゃると思いま
す。ここでご紹介したのはごく身近な例です。日常の暮らしの中の小さ
な出来事が日本の素晴らしさをしみじみと感じさせてくれます。この日
本のよさをこれからも大事に守っていき、大いに誇りにもしていきたい
と思ったことでした。


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