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Vol.143 一般公開

中国は東シナ海でガス田開発を急拡大

なぜ政府は知っていながら公表しないのか?

2015.07.17 57分

 7月6日付けの産経新聞「櫻井よしこ 美しき勁き国へ」で櫻井キャスターは、中国が南シナ海の人工島建設ばかりでなく、東シナ海にある日中中間線に沿ってガス田開発とプラットホーム建設を急速に拡大しているというスクープ記事を放ちました。1998年時点ではガス田の開発、掘削装置を建てていたのは4カ所でしたが、昨年までの16年間で6カ所に増え、この1年間ではなんと12カ所に急増していました。菅官房長官はこの日の記者会見で「事実は確認しており、中国に抗議をしている」と述べたものの「情報収集や外交交渉に支障をきたす」との理由で、ガス田開発の数や場所など詳しい情報は明らかにしませんでした。

 なぜ日本政府は沖縄の庭先での中国が一方的に行っているガス田開発と軍事目的にも転用できるプラットフォームの建設を見逃し、公表を避けているのでしょうか?対談の中で佐藤正久参院議員は「ほぼ毎日、海上自衛隊の哨戒機が偵察しており、秘密でもなんでもない」と語っています。日本政府が抗議をしているとはいえ、中国は抗議などどこ吹く風でこの1年間で6カ所も増やしています。

 佐藤議員は「政府が抑えた理由は、日中中間線を決めて共同開発をするという2008年の日中合意への配慮にある」と言います。どんどんガス田が開発され、軍事転用の海洋基地を作られても続ける「配慮」とはなんでしょうか。拉致交渉、世界遺産登録交渉で失態を続けてきた外務省に対し、櫻井キャスターは「配慮が外務省主導であれば、安倍外交と外務省外交はピッタリ息が合って進んでいるか疑問だ」と批判します。櫻井キャスターのスクープ記事で始まった東シナ海での中国の暴挙をどのように有効に止めるのか、今後の政府発表を見守る必要がありそうです。

≪動画インデックス≫
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 7.米国の力が衰えるとロシアはクリミア、中国はシナ海を19世紀的侵略
 8.政府は東シナ海ガス田開発を知っていながらなぜ隠すのか?
 9.中国大陸から流れ出た砂で大陸棚が出来たからシナ海はすべて中国のもの?
10.中国が東シナ海にガス田を急拡大出来た理由は何か
11.日中中間線を海底から日本側に入り資源を奪う「傾斜掘削」技術
12.中国防空識別圏全体にレーダーは届かないが、海洋基地で全体管制が可能
13.プラットフォームの軍事利用を日米の「動的抑止」で守り合う
14.東シナ海での中国の侵略的行為を朝日新聞は1行も報じていない
15.櫻井スクープで流れが変わった!政府は間もなく詳報と写真を発表する
16.気になる安倍外交と外務省外交の乖離

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佐藤正久

佐藤正久
参議院議員

1960年福島県生まれ。1983年防衛大学校卒業、陸上自衛官として国連PKOゴラン高原派遣輸送隊初代隊長、イラク先遣隊長、復興業務支援隊初代隊長などを歴任。2007年に退官し、同年参議院議員(全国比例区)に初当選、2012年防衛大臣政務官、現在外交防衛委員会理事、自民党参議院政策審議会副会長。無意不立(国民の政治への信頼なくしては国が成り立たない)が座右の銘、風貌から「ヒゲの隊長」として親しまれている。著作に『ヒゲの隊長のリーダー論』、『守るべき人がいる』、『ありがとう自衛隊 ヒゲの隊長が綴る日本再興奮』など。

※ プロフィールは放送日2015.07.17時点の情報です

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