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Vol.24 一般公開

「頑張らないと10年後の日本は無いかもしれない」
サイバー攻撃に自衛隊が防衛出動できない理由とは?

2013.04.05 38分

 サイバー空間での戦いは、陸・海・空・宇宙に次ぐ“第五の戦場” といわれ、もはや戦争と言うべきレベルに達しています。著書でこれを指摘したのは、陸上自衛隊初のサイバー戦部隊の初代隊長で、現在セキュリティ対策会社ラックのサイバーセキュリティ研究所所長である伊東寛さんです。サイバー攻撃対策の第一人者と櫻井キャスターの対談は、「見えない戦場」で起こっている実態を理解していただくには絶好の動画教材です。

 櫻井キャスターは、3月20日に発生した韓国サイバー同時テロの質問から対談に入りました。伊東所長は韓国でのサイバー攻撃が今までのサービスを妨害するDoS攻撃ではなく、コンピューターの頭脳そのものを破壊する一歩進んだ攻撃だったことを明らかにしました。犯人については「怪しいと言われているのは北朝鮮だが、中国が韓国で騒動を起こし北朝鮮のサイバー攻撃を装ったという説もある。」と述べ、その理由として米国のサイバー攻撃に関する警戒心を中国から北朝鮮にそらすためだと説明しました。

 対談が進む中、伊東所長は「東京急行をご存知ですか?」とオリジナルでユニークな考え方を櫻井キャスターに披露しました。東京急行はもちろん“東急電鉄”のことではありません。伊東所長は「冷戦時代にソビエト連邦が定期的に爆撃機を日本に飛ばしてきました。日本は飛来機にレーダー照射をしますが、彼らは戦争になった際に日本のレーダー電波に目つぶしをかけるためにこのレーダーの情報を取っていたのです」と興味深い事実を明らかにしました。“東京急行”の呼称は、当時、ソビエト機が同じ曜日、機体、航路での侵入を繰り返していたことから、定期便という意味を込めて航空自衛隊内で使用されていたようです。伊東所長は「どんな国でも平和時には、有事に備えて相手国の弱点を調べ上げるのは常道です」と語りました。日本はそんな常道を実践しているのでしょうか?

 対談の後半で「サイバー攻撃対策に自衛隊は遠慮しながら関わっているのではないか」という櫻井キャスターの質問に、伊東所長は「武力事態でなければ、自衛隊の防衛出動はできない」と述べ、サイバー攻撃は武力事態(注)と認定されないので、自衛隊は出動できないが、「昨年暮に防衛省からサイバー指針が出て、武力攻撃の一環としてのサイバー攻撃は要件を満たすとの1行が追加された」「ここで頑張らないと日本は10年後ないかもしれない」と応じました。伊東所長は1993年に「日本は20年後には地上から消えていく国となろう」と言い放ったといわれる中国の李鵬首相の言葉にひっかけながら、サイバー攻撃対策は世界各国では軍隊が対策に取り組んでおり、日本も自衛隊が中心となり対策の活路を開かなければ日本を守ることができないと警告したものです。

(注)武力事態は、①大規模攻撃 ②航空攻撃 ③ミサイル攻撃 ④ゲリラ活動が含まれるが、サイバー攻撃は含まれない。

≪動画インデックス≫
1. 韓国同時多発サイバーテロは誰が攻撃したのか
2. 世界で発生したサイバーテロの実態
3. 中国が実行した政治、外交、経済、軍事でのサイバーテロの脅威
4. 中国のハッカー部隊の恐ろしい実態
5. 日本は格好の標的か
6. お粗末な日本のサイバーテロ対策
7. 自衛隊はサイバーテロを防衛できないか
8. 日本は憲法を改正し、国を守る力を持たなければならない

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伊東 寛
サイバーセキュリティ研究所所長

1980年慶応義塾大学大学院(修士課程)修了、工学博士。同年陸上自衛隊入隊、技術、情報及びシステム関係の部隊指揮官・幕僚等を歴任、陸自初のサイバー戦部隊であるシステム防護隊初代隊長となる。2007年に退官し、シマンテック総合研究所主席アナリスト、2010年にセキュリティ対策会社ラックの特別研究員、現在はラック理事サイバーセキュリティ研究所所長。著書に「第5の戦場サイバー戦の脅威」など。

※ プロフィールは放送日2013.04.05時点の情報です

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