内閣府の平成27年(2015年)高齢社会白書によりますと、日本の総人口は1億2,708万人で4年連続減少です。65歳以上の高齢者人口は、過去最高の3,300万人となり、総人口に占める割合=高齢化率は26.0%と過去最高です。平均寿命が長く、少子化が進めば、高齢化率は上がり、先進国の中でも日本は群を抜いたトップです。こうした状況が続く中で、一人一人が幸せに長生きできて良かったと実感するためにはどんな人生観や価値観を持って暮らしていけばよいのでしょうか。
櫻井キャスターがこのテーマでお話を伺いたいと希望したのは、医師でもあり、作家でもある鎌田實さんでした。鎌田さんは昨年暮れからお正月まで、戦火のシリアから逃げてきたイラク北部の難民キャンプを訪れ、医療支援活動を行い帰国したばかりです。
対談の前半は、鎌田さんが地域医療を充実のために諏訪中央病院でどんな活動を行ったのか、長野県がなぜ全国一の長寿県になったのか、「地域包括ケア」をどう発展させていくべきかなどが話されました。
番組の後半で櫻井キャスターが「今までの人生で生きていてよかった、嬉しかったと思ったことは」と尋ねますと、鎌田さんは「障害を持っている患者さんが、お世話されるだけでなくもっと辛い人にお世話できるようになった、それは鎌田先生のお陰だと言われた。その方の人生に少しかかわらせていただいて、よい職業をさせていただいた」とそのシーンを思い浮かべられたのか、鎌田さんの眼に涙が浮びました。頷きながら、櫻井キャスターは「人の役に立つこと、それが人間をどんどん前に推し進めて行ってくれる力になる、生き甲斐というのは誰かのためになることですね」と長生きで幸せになる秘訣を語りました。とても感動的な対談です。是非ご覧ください。
≪動画インデックス≫
1.イラク難民キャンプでの医療支援活動と白血病の少女を助ける「チョコ募金」
2.長生きして元気に幸せに生きるために
3.長野県が日本一の長寿国になった原因は“生き甲斐”
4.櫻井キャスターの106歳のお母さんが行う“娘孝行”とは
5.日本人の「みんなが幸せな生き方」を世界のお手本にしよう
6.高齢者にかかるお金は「コスト」ではなくパワーと経験への「投資」だ
7.高齢者の「力と知恵」を活用する社会を作ろう
8.地域包括ケアに必要なことは介護士システムの充実
9.人は年をとっても一瞬で変われるし、成長もできる
10.生き甲斐というのは誰かの力になることだ
11.愛の手を差し伸べれば、若者は全力でパワーをぶつけるようになる
12.鎌田實の若人に贈るメーセージ
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鎌田實
諏訪中央病院名誉院長
1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院へ赴任。現在同病院名誉院長。1991年よりベラルーシ共和国の放射能汚染地帯へ100回を超える医師団を派遣し、約14億円の医薬品を支援してきた。 2004年にはイラク支援を開始。イラクの4つの小児病院へ10年間で4億円の薬を送り、イラク北部の都市アルビルを拠点に難民キャンプでの診察活動を続けている。 福島原発事故被災者の医療支援にも取り組んでいる。著書にベストセラー『がんばらない』『がんばらないけどあきらめない』『死を受けとめる練習』『「イスラム国」よ』『人間らしくヘンテコでいい』など多数。日テレ「news every」コメンテーター。
※ プロフィールは放送日2016.01.15時点の情報です