この対談企画の当初の狙いは、熊谷亮丸氏の最新著書のテーマであるパッシング・チャイナ(Passing China)中国を素通りして南アジアという巨大な潜在市場を日本経済につなげる発想を論議することでした。しかし、増税をするのか、先送りするのか世論を二分していた消費税増税問題で放送前日に読売新聞が「首相、意向を固める」と報じたために、急遽テーマを消費税増税問題に変更しました。
熊谷氏は、8.27に消費税を上げるか否かについて有識者や専門家に聞く官邸会議で、増税を支持する意見を述べています。安倍総理が決断したと報道された消費税増税の特色は、景気の腰折れ対策として増税する3%のうち2%分相当の5兆円経済対策をセットで実施する点です。熊谷氏は「3%上げ、2%はある種の民主主義のコストとして国民に返す、実質1%に相当する穏やかな増税は悪いやり方ではない」と評価しており、櫻井キャスターが「いただいておいて、また返すというのは一見矛盾するが」と指摘すると「増税で8兆円くらいの税収が上がれば永遠に続く財源になります。景気対策は1年限りですから、そこのワンショットで少し使ったとしても、長い目で見れば財政再建が進みます」と答えました。
極めてホットなタイミングで熊谷氏をゲストに迎え、消費税増税とアベノミクス成長戦略をあらゆる角度から検証する議論が交わされました。番組後半ではパッシング・チャイナという熊谷氏の大胆な発想について中国だけにのめり込まず、親日的な南アジアにシフトすべきだという議論が展開されました。
≪動画インデックス≫
1.オリンピック経済効果は150兆円の内容とは?
2.消費税有識者・専門家会議の増税賛成VS反対のガチンコ議論
3.増税の先送りはアベノミクス第1、第3の矢を台無しにする理由
4.増税すると景気が腰折れするというのは日本の常識、世界の非常識だ!
5.1%ずつ上げる穏やかな増税は机上の論理で実務の論理ではない
6.3%上げ、経済政策で2%国民に返すのは悪いやり方ではない
7.1万円ずつ現金を配るのはバラマキか?
8.パッシング・チャイナという発想が北京空港で生まれた背景
9.熊谷亮丸が短期、長期で中国経済を明解分析
10.中国だけにのめり込むな!チャイナプラスワンが必要
11.中国バブルが崩壊する前にパッシング・チャイナをすべきだ!
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熊谷 亮丸
大和総研チーフエコノミスト
1966年東京生まれ。1989年東京大学法学部卒業後、日本興業銀行に入行。1993年旧興銀より国内留学で東京大学大学院修士課程修了。メリルリンチ日本証券チーフ債券ストラテジストなどを経て、2007年大和証券シニアエコノミスト、2010年よりチーフエコノミスト。各種アナリストランキングで、エコノミスト、為替アナリストとして合計7回1位を獲得している。「ワールドビジネスサテライト」レギュラーコメンテーターとして活躍中。著書に『消費税が日本を救う』、『パッシング・チャイナ』など多数。
※ プロフィールは放送日2013.09.13時点の情報です