過去の放送

Vol.61 一般公開

「軍の中でも陸軍ではなく、空、海出身者が強硬発言をする」
中国軍部の要求に引き摺られる習近平指導部

2013.12.20 62分

 中国共産党幹部の汚職、各地で勃発する暴動、最悪レベルの大気汚染、経済成長の鈍化、少数民族問題など中国国内には問題が山積されています。こうした問題が改善されず国民の不満は爆発寸前と言われ、政府への直接行動も激しくなるばかりです。11月には国際的なルールを全く無視し、尖閣諸島の上空を含んだ空域に「防空識別圏」を設定する暴挙に出ました。この強硬策は軍の要求に習近平指導部が屈した結果と言われています。なぜ習近平指導部は軍部強硬派を止められないのでしょうか、軍と政府はどんな関係になっているのでしょうか、軍内部の力関係はこれまでと同じなのでしょうか?中国取材から戻ったばかりのジャーナリスト富坂聰氏の軍事、経済、社会にわたる最新情報を櫻井キャスターが富坂氏と共にどのように分析するかをお伝えするのが今回の対談の企画趣旨です。

 この対談では防空識別圏の設定などで中国が大戦略を持っているのか、いないのかについてお二人の意見が分かれました。富坂氏は「中国が戦略を持っているから怖いのか、戦略がないから怖いのか。どちらなのかを見極めることが重要だ」と述べ、「大戦略のための一歩なのか、突発的に出てきたのか、日本は信号の受け取り方次第で対処しなければならない」と指摘しました。これに対し櫻井キャスターは「過大評価かもしれないが、中国には大戦略があると思う。日本はその前提に立って対処すべきだ。日本は中国の大戦略に唯々諾々と従わない、他国を侵略してはいけないというメッセージを発信すべきだ」と主張しました。

≪動画インデックス≫
1.防空識別圏の設定は、軍が主張し習近平が追認した
2.防空識別圏は、従来の二国間重視外交と異なり、緻密に計算されていない
3.軍部のなかでも陸軍ではなく、空、海出身者が強硬発言
4.中国首脳部にも理性が働き“揺り戻すグループ”が存在する
5.中国が目指すのは米国を追い越すことで、その前段階の大戦略がある
6.大戦略の一歩なのか、突発的な行動なのか見極める必要がある
7.目玉戦略のない李克強首相のリコノミクスは成果があがらない
8.共産党幹部が恐れる「王岐山の改革」とは何か?
9.「仇富仇官」と「人肉検索」の怖さ
10.中国共産党幹部の懐に入る裏金はなんと毎年80兆円!
11.中国共産党は“寝たきり”の厳しい状態
12.日本が戦わず勝利する目的のために血を流す覚悟が必要だ!

Edgeブラウザではスキップ機能を利用できない場合がございます。Chrome/Firefox/Safariブラウザではスキップが可能です。

プロバイダや使用場所によっては再生が途切れる場合がございます。動画が停止した場合、ブラウザの更新ボタンを押してください。

富坂 聰

富坂 聰
ジャーナリスト

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系中退。「週刊ポスト」「週刊文春」記者を経てフリーライター。1994年『龍の伝人たち』で21世紀国際ノンフィクション大賞優秀賞を受賞した。現在、様々な雑誌メディアへの執筆、テレビコメンテーターなどで活躍中。著書に『中国の地下経済』『中国マネーの正体』『習近平と中国の終焉』『間違いだらけの対中国戦略』など多数。

※ プロフィールは放送日2013.12.20時点の情報です

言論テレビ 会員募集中!

生放送を見逃した方や、再度放送を見たい方など、続々登場する過去動画を何度でも繰り返しご覧になることができます。
詳しくはこちら
Instagramはじめました フォローはこちらから

アップデート情報など掲載言論News & 更新情報

週刊誌や月刊誌に執筆したコラムを掲載闘うコラム大全集

  • 異形の敵 中国

    異形の敵 中国

    2023年8月18日発売!

    1,870円(税込)

    ロシアを従え、グローバルサウスを懐柔し、アメリカの向こうを張って、日本への攻勢を強める独裁国家。狙いを定めたターゲットはありとあらゆる手段で籠絡、法の不備を突いて深く静かに侵略を進め、露見したら黒を白と言い張る謀略の実態と大きく揺らぐ中国共産党の足元を確かな取材で看破し、「不都合な真実」を剔抉する。

  • 安倍晋三が生きた日本史

    安倍晋三が生きた日本史

    2023年6月30日発売!

    990円(税込)

    「日本を取り戻す」と叫んだ人。古事記の神々や英雄、その想いを継いだ吉田松陰、橋本左内、横井小楠、井上毅、伊藤博文、山縣有朋をはじめとする無数の人々。日本史を背負い、日本を守ったリーダーたちと安倍総理の魂と意思を、渾身の筆で読み解く。

  • ハト派の嘘

    ハト派の噓

    2022年5月24日発売!

    968円(税込)

    核恫喝の最前線で9条、中立論、専守防衛、非核三原則に国家の命運を委ねる日本。侵略者を利する空論を白日の下にさらす。 【緊急出版】ウクライナ侵略、「戦後」が砕け散った「軍靴の音」はすでに隣国から聞こえている。力ずくの独裁国から日本を守るためには「内閣が一つ吹っ飛ぶ覚悟」の法整備が必要だ。言論テレビ人気シリーズ第7弾!