過去の放送

Vol.497 一般公開

侵略2カ月、ロシア軍の実力は「強くない」

米欧は抑止のために核使用の意思を示せ!

2022.04.29 68分

≪櫻井よしこの対談後記≫
 前統合幕僚長、河野克俊さんのお話は率直で抜群に興味深いものでした。河野さんはロシアのウクライナ侵略戦争がまさに世界を変えた、そして私たちは気がついた。ロシア軍はそれほど強くない、と語るのです。
 考えてみれば日本は日露戦争に勝ちました。昭和15年のノモンハンの戦いではわが軍が大敗したことになっていますが、最近公開されたロシア側の情報によると、ロシア側は大勝とはほど遠い、甚大な被害を受けていたそうです。彼らはアフガン戦争でも負けました。ドイツ戦では一応勝った事になっていますが、ソ連が勝ったわけではなく、ドイツが自滅したまでのことです。
 そしていま、プーチンのロシアはウクライナに敗北する可能性が出てきました。このようなことを軍事の専門家である河野さんは非常にわかりやすく説得力ある根拠を持って説明してくださいました。
 最後に日本は中国の核の脅威に屈しないためにも、もっと根本的に日本自身を強くしなければならないこと、米国との核の共有をしなければならないこと。この二つが必須だと語りました。どうぞ皆様も一緒に考えてください。

≪対談で語られた論点≫
 1.長テーブル会談の座り方がプーチンの外交
 2.訪問順番を間違えたグテレス国連外交に成果なし
 3.ロシアの核威嚇でNPT体制は崩壊した
 4.侵略2カ月で米国は「露軍が強くない」と気づいた
 5.ロシアの実力「兵力」90万人 NATOは511万人
 6.ロシアの実力「GDP」188兆円 韓199兆円 日592兆円
 7.ロシアの実力「国防費」7.3兆円 米88兆円
 8.通常戦力に劣る同盟の方が核の力に頼る
 9.「非対称戦」でロシアを消耗させウクライナが勝利
10.プーチン周辺に西側への情報提供者がいる
11.米欧は抑止のために核使用の意思を示せ!
12.国民の生命を守る時に「必要最小限」で守れない
13.歴史大転機に小手先「専守防衛」では乗り切れない
14.安倍政権で政治と自衛隊が近づいた
15.歴史大転機の正しい「政軍関係」を築け!
16.米中に挟まれた日本は西側の最前線国家になった
17.有事に米国の核の傘が開くか日本は確認すべきだ

Edgeブラウザではスキップ機能を利用できない場合がございます。Chrome/Firefox/Safariブラウザではスキップが可能です。

プロバイダや使用場所によっては再生が途切れる場合がございます。動画が停止した場合、ブラウザの更新ボタンを押してください。

河野克俊

河野克俊
前統合幕僚長

1954年(昭和29年)、北海道生まれ。昭和52年に防衛大学校機械工学科卒業後、海上自衛隊入隊。第三護衛隊群司令、佐世保地方総監部幕僚長、海上幕僚監部総務部長、海上幕僚監部防衛部長、掃海隊群司令、海将に昇任し護衛艦隊司令官、統合幕僚副長、自衛艦隊司令官、海上幕僚長を歴任。平成26年、第五代統合幕僚長に就任。平成31年4月退官。著書『統合幕僚長―我がリーダーの心得』

※ プロフィールは放送日2022.04.29時点の情報です

言論テレビ 会員募集中!

生放送を見逃した方や、再度放送を見たい方など、続々登場する過去動画を何度でも繰り返しご覧になることができます。
詳しくはこちら
Instagramはじめました フォローはこちらから

アップデート情報など掲載言論News & 更新情報

週刊誌や月刊誌に執筆したコラムを掲載闘うコラム大全集

  • 異形の敵 中国

    異形の敵 中国

    2023年8月18日発売!

    1,870円(税込)

    ロシアを従え、グローバルサウスを懐柔し、アメリカの向こうを張って、日本への攻勢を強める独裁国家。狙いを定めたターゲットはありとあらゆる手段で籠絡、法の不備を突いて深く静かに侵略を進め、露見したら黒を白と言い張る謀略の実態と大きく揺らぐ中国共産党の足元を確かな取材で看破し、「不都合な真実」を剔抉する。

  • 安倍晋三が生きた日本史

    安倍晋三が生きた日本史

    2023年6月30日発売!

    990円(税込)

    「日本を取り戻す」と叫んだ人。古事記の神々や英雄、その想いを継いだ吉田松陰、橋本左内、横井小楠、井上毅、伊藤博文、山縣有朋をはじめとする無数の人々。日本史を背負い、日本を守ったリーダーたちと安倍総理の魂と意思を、渾身の筆で読み解く。

  • ハト派の嘘

    ハト派の噓

    2022年5月24日発売!

    968円(税込)

    核恫喝の最前線で9条、中立論、専守防衛、非核三原則に国家の命運を委ねる日本。侵略者を利する空論を白日の下にさらす。 【緊急出版】ウクライナ侵略、「戦後」が砕け散った「軍靴の音」はすでに隣国から聞こえている。力ずくの独裁国から日本を守るためには「内閣が一つ吹っ飛ぶ覚悟」の法整備が必要だ。言論テレビ人気シリーズ第7弾!