- 2024.02.01
- 一般公開
敬愛する田久保忠衛さんの遺した言葉
『週刊新潮』 2024年2月1日号日本ルネッサンス 第1083回1月9日、かけがえのない師、田久保忠衛氏が亡くなった。しかし、余り実感がない。なぜだろう。余りにも多くの難事が内外で同時進行中で、考え、対処することが多すぎるからか。問題をどう乗り越えるか、日本はどうすべきか、心の中でいつも田久保さんと会話をしている。田久保さんならどう考え、どう判断するか。まるで田久保さんとずっと対話しているような気分で、だから中々、実感が湧かないのではないかと、自己分析をしている。17年前、私たちは日本が危機の中にあると実感し、シンクタンク「国家基本問題研究所」を創設した。日本国立て直しの具体策として掲げたのは教育改革と憲法改正だった。日本をまともな自主独立の国にする方途を、政治に提言して実現しようという決意だった。日本は他に類例のない一貫した長い歴史を有する国だ。豊かな歴史の積み重ねの中で育まれた文化、価値観、国柄を現在に生かし続けて日本国の勁(つよ)さを発揮しようという想いでもあった。...