- 2023.11.09
- 一般公開
最高裁暴走、国会同意人事で歯止めを
『週刊新潮』 2023年11月9日号日本ルネッサンス 第1672回15人の人々が最高裁裁判官という権威の衣をまとって大暴走した。10月25日、現行制度の性別変更要件となっている生殖能力をなくす手術について、最高裁大法廷が示した違憲判断に対する感想である。これによって、立法府は新たな対応を迫られるが、最高裁判断に従えば、日本社会は異様な変化を遂げるだろう。男性に生まれたけれど「私は女性だ」、或いは女性に生まれたけれど本当は男性だと思う人々は、各人の性自認に基づいて戸籍上の性を変えられる社会になるだろう。そのとき何が起きるか。生まれながらの生殖機能を持ったまま性を変えるのであるから、戸籍上男性になった女性が出産したり、女性になった男性が父親になる事例が生じてくる。そのとき戸籍はどんな意味を持つのか。結婚、父親や母親、親子関係は戸籍上、どうなるのか。大混乱の末に社会の基盤である戸籍制度も家族制度も崩壊に向かうだろう。...