- 2020.09.03
- 一般公開
なぜ日本人は半沢直樹を好むのか
『週刊新潮』2020年9月3日号日本ルネッサンス 第915回時折り本欄でご紹介する「言論テレビ」は、私が日本テレビでニュースキャスターを務めていた時からの古い友人たちとの共同作業から生まれた。スタッフとのつき合いはかれこれ40年だ。皆、歳月を重ねて今日に至っている。その「老兵」の輪の中に、畏友、花田紀凱氏も入って下さり「言論テレビ」はいま、開設9年目である。私たちの基本は「伝えるべきことを伝える」「事実をして語らしめる」である。そんな気持ちで地上波のテレビ番組とはかなり異なる番組を、毎週金曜日夜9時から生放送で送り出している。地上波テレビが伝えない物事の全体像を伝えることで視聴者の方々の視野を広げるのに役立ちたいと願って続けているが、その中で気付いたことがある。これこそ重要だと思って報じた番組がいつも多くの人に見てもらえるわけではなく、視聴者の好みに一定の傾向があることだ。たとえば、眼前で進行中の香港大事件への視聴者の関心は、必ずしも高くない。台湾、中国問題にも大きな関心があるようには思えない。香港に対する中国共産党の弾圧は近未来に日本への弾圧となり得る意味で、日本人こそ深い関心を持たなければ大変な事になると思うのだが、朝鮮半島問題、とりわけ韓国の文在寅政権に対する関心と較べると、香港・台湾・中国へのそれはとても低調なのである。...