- 2019.07.04
- 一般公開
新潟選挙区、野党統一候補のおかしさ
『週刊新潮』 2019年7月4日号日本ルネッサンス 第858回「アリさん、早くこっちによけないと、ひかれちゃうよ!」幼い少女は、列になって道路を這っている蟻の群れが車に轢かれてしまうと心配して、一所懸命、群れを道路の端に誘導しようとした。少女は横田めぐみさんである。早紀江さんが当時を懐かしみながら語った。「幼い頃のめぐみはいつもこんなふうでした。生きものは何でも大好きで、変なものもしょっちゅう、家に連れてくるんです」...
『週刊新潮』 2019年7月4日号日本ルネッサンス 第858回「アリさん、早くこっちによけないと、ひかれちゃうよ!」幼い少女は、列になって道路を這っている蟻の群れが車に轢かれてしまうと心配して、一所懸命、群れを道路の端に誘導しようとした。少女は横田めぐみさんである。早紀江さんが当時を懐かしみながら語った。「幼い頃のめぐみはいつもこんなふうでした。生きものは何でも大好きで、変なものもしょっちゅう、家に連れてくるんです」...
『週刊ダイヤモンド』 2019年6月29日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 最終回 安岡正篤氏は首相まで務めた宮沢喜一氏を「ヨコの学問はできてもタテの学問がなっていない」と評した。安岡氏は、真の教養ある日本人は欧米の事情のみならず日本の文化文明、歴史を修めなければならないと言っているのである。その意味で近年読んだ本の中でとりわけ重要だと感ずるのが白鳥庫吉博士の書いた日本史である。当欄でも以前に少し触れたことがあるが、大正3(1914)年に開設された「東宮御学問所」で時の皇太子、裕仁親王に日本史を教えるために白鳥博士が書いた5巻に上る書である。いま『昭和天皇の教科書 国史』(以下『国史』、勉誠出版)として手にすることができる。同書に特別の関心を抱くのは、米国の変容に始まり、国際社会が大激変する中ですべての国々が如何に国益を守り通すかに心を砕かざるを得ない時代に突入しているからだ。米中対立の日本への影響はとりわけ強い。だからこそ、日本自身が足場を固める必要がある。経済と安全保障は無論だが、その前に安岡氏のいう「タテの学問」が欠かせない。日本人は自らをどのような民族としてとらえるか、日本の歴史をどれだけ深く学ぶかによって日本の近未来を切り開く道が自ずと明らかになる。歴史の学びこそ重要だ。...
『週刊新潮』 2019年6月27日号日本ルネッサンス 第857回習近平国家主席の大誤算といってよいであろうが、それも含めて自業自得ではないか。香港で「逃亡犯条例」改正への反対の声はおさまらないどころか、国際社会が一斉に、香港政府と、背後で実権を握っている北京政府への非難の声を強めている。逃亡犯条例改正への反対デモは、6月9日の日曜日には主催者発表で103万人、16日には200万人に倍増した。香港住民700万人の29%が街頭に繰り出し、中国本土と一体化した香港政府に抵抗の意思を示した。米欧メディアはデモを生中継で報じ、香港人の人権も自由も危機に瀕していると伝え続ける。...
『週刊ダイヤモンド』 2019年6月22日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1284 6月9日、香港の街々を100万人を超える人々が埋めつくした。1997年に香港が中国に返還されて以来、最大規模のデモだった。香港住民の約7分の1が参加したデモの必死の訴えは、しかし、中国の習近平国家主席にも中国共産党にも届かないだろう。香港の人々が求めているのは「逃亡犯条例」改正案の撤回である。同改正案は刑事事件の容疑者の身柄引き渡し手続きを簡略化し、中国やマカオ、台湾にも引き渡せるようにするものだ。現在、香港は同じような身柄引き渡し条約を米英などと結んでいるが、中国とは嫌だと拒否するのは、中国が欧米諸国とは異なり、同条例を取り締まりと弾圧に利用することを肌で感じているからである。...
『週刊新潮』 2019年6月20日号日本ルネッサンス 第856回「ショックですよ。僕らの世代は2000万円と言われてもどうしようもない」30代の技術者で、小規模ながら会社を経営している男性が語った。妻と共働きで、幼い娘は2歳になったばかりだ。金融庁は6月3日、定年後の夫婦が95歳まで生きるには約2000万円の金融資産が必要だとの報告書をまとめた。平均値で、夫65歳、妻60歳以上の世帯では毎月の生活費が約26万円、年金収入等は約21万円で、月約5万円の不足が生じる。不足分は20年間で1300万円、30年間では約2000万円の貯蓄が必要だということのようだ。...
『週刊ダイヤモンド』 2019年6月15日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1283「現在の日本はロシアに侵略されてクリミア半島を奪われる前のウクライナとそっくりです」ウクライナから来た留学生、ナザレンコ・アンドリー氏(24)がインターネットの「言論テレビ」で語った。来日5年、共愛学園前橋国際大学在学中で、「雲散霧消」など四字熟語も自在に使いこなす。どのように日本とウクライナが似ているのか、ナザレンコ氏の解説だ。...
『週刊新潮』 2019年6月13日号日本ルネッサンス 第855回「対話? 歓迎だ。戦い? 準備はできている。我々を脅かす? やれるわけがない」これは6月2日、中国・国防相の魏鳳和(ウェイフォンホー)氏が米国への対抗心も露わに中国国民の声として語った言葉だ。威嚇か、半分本気か。米国の出方次第では戦争もあり得ると、生々しい敵対心を見せている。場所はシンガポール、世界の安全保障問題の専門家が集う毎年恒例のアジア安全保障会議でのことだ。貿易戦争から始まった米中の対立は、いまや赤字黒字問題を超えて国の在り方の根本を問う、価値観の衝突といわれる程、深刻になりつつある。対立が深まる中で開かれたアジア安保会議に、中国は8年振りに現職の国防大臣を送り込んだ。人民解放軍中将ら小物の軍人を出席させてきた去年までとは対照的である。国際会議の場で国防の重鎮が前述のような怒りの表現を口にしたのはなぜか。...
『週刊ダイヤモンド』 2019年6月8日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1282 5月25日から4日間、トランプ米大統領の訪日が無事終了した。天皇、皇后両陛下は令和初の国賓をにこやかにお迎えされ、国民も大いに安堵したのではないか。滞在中、トランプ大統領は対日貿易赤字、日本がF35戦闘機を105機買うことなどに度々言及し、環太平洋経済連携協定(TPP)への激しい反発も口にした。日米間の貿易問題に加えて、拉致、北朝鮮に傾く韓国文在寅政権、膨張する中国の脅威にも対処しなければならない安倍晋三首相にとって、眼前の貿易問題を超えて緊密な日米関係を内外に示すことは、大いなる国益である。その点で今回の首脳外交は大成功だった。だが、「朝日新聞」は5月28日の紙面で安倍外交を徹底的に批判した。「抱きつき、泣きつき──。トランプ氏に対する度外れた厚遇ぶりには、そんな言葉しか浮かばない」(「天声人語」)という具合だ。社説も「もてなし外交の限界 対米追従より価値の基軸を」と題して、「国賓を丁重に迎えるのは当然だが、度が過ぎる」と書き、安倍首相のイラン訪問予定については、「米国の代弁者では、仲介者たり得ない」と釘をさした。...
『週刊新潮』 2019年6月6日号日本ルネッサンス 第854回ビザなし交流で北方領土を訪れた衆議院議員、丸山穂高氏の言動は論外だが、総じて北方領土の現状についての国会議員、とりわけ野党議員の認識の貧しさには驚くばかりだ。ビザなし交流は平成4(1992)年に始まった。日露双方が年間600人を上限に参加できる。日本からの訪問者は元島民の皆さんと親族、返還運動関係者、報道関係者、国会議員などである。議員は各党から選ばれるが、自民党のように大きな政党の議員は中々順番が回ってこない。あくまでも一般論ではあるが、自民党議員は北方領土訪問団の一員に選ばれるまでに部会などの勉強会でそれなりの勉強をすると、東海大学教授の山田吉彦氏は指摘する。...
『週刊ダイヤモンド』 2019年6月1日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1281 国民が刑事裁判に参加する裁判員制度が始まって5月で10年、感慨深いものがある。5月21日の紙面で「読売新聞」が特集したが、その中の全国50の地方裁判所所長へのアンケート調査では、全員が「裁判員裁判は刑事裁判に良い影響をもたらした」と回答している。「日本経済新聞」がやはり同日の紙面で報じた最高裁判所の調査では、裁判員経験者の96%が裁判への参加を「良い経験だった」と評価している。...
『週刊新潮』 2019年5月30日号日本ルネッサンス 第853回 自伝、とりわけ政治家のそれは割引いて読まなければならない。それにしても韓国大統領文在寅氏の『運命』(岩波書店)ほど独特の左翼臭を放つものはないだろう。日本語版の出版は昨年10月だが、韓国では2011年の発売で、刊行2週間で書籍部門の売り上げ1位になったと書いている。氏が北朝鮮からの難民だった少年時代のこと、貧困を乗り越えて人権弁護士となったこと、「善き人」であろうとした「普通の人」が、人間の尊厳や人権を尊重して仕事をしている盧武鉉氏と知り合い、深く感銘を受け、やがて政治に関わり始めたという人生物語が情趣的な文章で描かれている。...
『週刊ダイヤモンド』 2019年5月25日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1280今年元旦、「朝日新聞」は1面トップで「昭和天皇直筆の原稿見つかる」とスクープした。昭和60年頃から病に臥せられる63年秋頃までの御製、252首が確認されたとの報道だった。内、未発表の御製は211首あった。しかも昭和天皇の直筆で残されており、同月7日には詳細が続報された。ところが約4カ月後、雑誌「Hanada」6月号が「直筆御製発見 昭和天皇の大御心」と題して「世界日報」編集局長、藤橋進氏の論文を掲載した。世界日報は朝日新聞が報ずる「かなり前に」昭和天皇の直筆原稿を入手し、調査を進めていたという。両方を較べ読めば、昭和天皇の息遣いをより近くより深く感じさせるのは藤橋論文である。...
『週刊新潮』 2019年5月23日号日本ルネッサンス 第852回週末、東京・池袋のホテルで、台湾の与党民進党の前行政院長(首相)、頼清徳氏に取材した。一言で言えば爽やかな感じの人物だ。台湾出身の金美齢氏は、「政界一の美男」と評したが、むしろ「穏やかな知性の人」という印象が先に立つ。頼氏は59歳、元々内科医だった。政界に転じ、立法委員(国会議員)、台南市長を経て2017年9月に蔡英文政権の行政院長に就任、今年1月に職を辞し、来年1月の総統選挙に名乗りを上げた。心意気やよし。しかし、頼氏の前には、穏やかな知性だけでは到底越えられないハードルが二つある。➀民進党内の選挙で党の候補者に選ばれること、➁本選挙で国民党に勝つこと、である。...
『週刊ダイヤモンド』 2019年5月18日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1279 御代替わりと長い休日で沢山の本を読んだ。その1冊、『昭和天皇 二つの「独白録」』(東野真著、NHK出版)は1997年6月放送の「NHKスペシャル」を基にした作品だ。NHKの報じる歴史物にはおよそいつも独特の偏りと臭気を感じるが、約20年前に出版された本書も例外ではない。それでも考えさせられる著作だった。「昭和天皇独白録」といえば、90年12月号の「文藝春秋」のスクープを思い浮かべる。東野氏は他にも「独白録」が書かれていたことを明らかにし、その作成は東京裁判において天皇無罪を確定させるための対策だったとする。そうした動きの背景には、昭和天皇に対する厳しい米国世論があった。45年6月のギャラップ世論調査では「処刑せよ」が33%、「裁判にかけろ」が17%、「終身刑」が11%、「追放」が9%で、70%が強い敵愾心を抱いていた。東京裁判終了後も厳しい感情は消えず、50年3月の同世論調査では、「天皇を戦犯として裁くべし」が53%だった。...
『週刊新潮』 2019年5月16日号日本ルネッサンス 第851回少しばかり古い話だが、沖縄県知事の玉城デニー氏が4月18日、沖縄県を「一帯一路」の中で「活用してほしい」と、中国副首相の胡春華氏に要請したそうだ。一帯一路構想は中国式の世界制覇計画である。手段を選ばないその手法は世界の非難の対象となっており、日本政府も米国政府も強い警戒心を抱いている。安倍首相は日本も一帯一路に協力していこうと言ったが、前提として各プロジェクトについて透明性、開放性、経済性、対象国の財政健全性が担保されなければならないとした。右の4条件が満たされるなら、日本企業がプロジェクトに参入してはならない理由はなくなる。だが、現実には中国がこれらの条件を満たすのは至難の業であろう。...
『週刊ダイヤモンド』 2019年5月11日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1278 「平成」から「令和」へ、5月1日に御代替わりとなった。新しい天皇陛下と皇后陛下はどのような天皇・皇后になられるのか、お二方が目指しておられる天皇・皇后像とはどんなものなのだろうか。そこで気になるのが歴代の天皇が幼い頃から受けてこられた帝王学である。端的にいえば、人の上に立ち国民の心の安定と統合の求心力となることが期待される方々の学びとはどんなものなのか。昭和天皇と上皇陛下の受けられた帝王学の間には、敗戦、占領という時代の一大事による変化が自ずと生じているだろう。さらに上皇陛下と新天皇の受けられた教育の間には、戦後の日本国全体の変化が影響を及ぼした結果としての相違があるのではないか。そのように思いを巡らしていたとき、モラロジー研究所教授、所功氏の「大正の東宮御学問所」を読んで深い印象を得た。この記述は『昭和天皇の教科書 国史』(白鳥庫吉(くらきち)、勉誠出版)に書かれた解説の一部である。...
『週刊新潮』 2019年5月2日・9日号日本ルネッサンス 第845回間もなく元号は令和と改められ、新天皇が即位される。新天皇・新皇后両陛下はどのような新しい時代を創られ、どのような天皇・皇后になろうとしていらっしゃるのか。そう考えているとき、2001年3月出版のいささか古い本だが、『浩宮の感情教育』(以下『感情教育』小坂部元秀、飛鳥新社)を勧められて読んだ。天皇となられる方や皇族には、単に学習院卒業という学歴が求められているわけではない。特別の心構え、帝王学を身につけているか否かが大事だといってよいだろう。果たして浩宮さまは親王時代にそのような教育を受けられたのか、学習院とはどんな学びの場だったのか、その疑問への手掛かりとして読んでみた。...
『週刊ダイヤモンド』 2019年4月27日・5月4日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1277 日本は春爛漫の美しい季節だ。花のあとは瑞々しい若葉を愛でる。日本列島に住む私たちは、一人一人さまざまな課題や苦労があるにせよ、概して幸せだと思う。そんなことを考え、北朝鮮に捕らわれている拉致被害者を想う。横田めぐみさんや増元るみ子さん、有本恵子さんをはじめ800人を超える拉致被害者は無事にすごしているだろうか。4月から5月の北朝鮮は最も食糧が不足する。5月末からジャガイモの収穫が始まるが、それまでに前年の穀物は食べ尽くされている。沿岸漁業権が中国に売り渡されたために北朝鮮の漁船は遠い沖合でしか漁ができない。油代は高く、大きな船もなく、北朝鮮の住民には満足に魚も供給されない。今年に入って餓死者が出始めたとの少なからぬ情報が伝わってくる中で、2月11日、北朝鮮は国連に140万トンの食糧援助を申請済みだ。...
『週刊新潮』 2019年4月25日号日本ルネッサンス 第849回南北両朝鮮が米国に追い詰められている。とりわけ韓国の文在寅大統領への米国の圧力は巧妙である。4月11日、文氏は“建国”を祝う予定だったが、米韓首脳会談のため、大事なその記念式典を諦めて訪米した。にも拘わらず、ホワイトハウスでのトランプ大統領との会談は、前代未聞の哀れな結果に終わった。文氏は10日にソウルを出発し、同日夕方にワシントンに到着したが、米国側との予定は一切組まれていなかった。翌11日午前中に、ポンペオ国務長官、ボルトン大統領補佐官、ペンス副大統領とそれぞれ面会したが、三氏共に文氏の北朝鮮寄りの姿勢に批判を加えたと見られる。北朝鮮に非核化の意思は読みとれず、制裁緩和はあり得ない、米国はむしろ制裁強化を考えていることなどが強調されたと考えてよいだろう。...
『週刊ダイヤモンド』 2019年4月20日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1276フィリピンのドゥテルテ大統領が4月4日、自国が領有する南シナ海の島周辺に数百隻の中国船が押し寄せているとして、中国に強い不快感を表した。「パグアサ島に手を出すな。手を引かない場合、自爆任務を担う部隊を送り込むことも辞さない」と、当然のことだが、領土に関しては一歩も引かない構えを示した。パグアサ島は南シナ海のスプラトリー諸島の一部で、フィリピンが領有する9つの島の内、最大の島だ。住民はおよそ100人である。...
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