- 2019.04.18
- 一般公開
福澤諭吉論に見る、皇室と国民の関係
『週刊新潮』 2019年4月18日号日本ルネッサンス 第848回およそ150年前、日本人は列強諸国の脅威の前で、潰されず呑みこまれず、祖国の未来を確固たるものにしようと必死の想いで努力した。徳川幕府の統治から転じて天皇の権威の下に皆が結集して、明治維新という大変化を乗り切った。おかげで日本は大半のアジア諸国とは異なり、辛うじて独立独歩で前進できた。国の形が大転換したとき、先人たちはどんな発想で国家、民族の一体性を守り通したのか。現在、1945年から続いてきた戦後体制が大変革中なのは否定しようのない現実だ。わが国も、何かしら根本的な変化は避けられないと、多くの人が感じている。今上陛下のご退位が近づき、皇太子殿下のご即位が近づいている。新天皇と皇室はどうあるのがよいのか。私たち国民はどのように新天皇皇后両陛下を支え、向き合うのがよいのか。先人たちは、明治維新で突然、立憲君主として国を統治する立場に立たれた天皇にどのように向き合ったのか。皇室の在り方も含めて何を理想としたのか。...